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三重

芳野さん一本化へ協定 市民連合と野党3党

2019年6月14日

 参院選三重選挙区(改選数一)で、野党統一候補となる無所属新人の芳野正英さんを支援するため、旧民進党系地域政党の三重民主連合と共産党、社民党の県組織は十三日、政策協定を結んだ。候補者一本化で自民に勝利した三年前の再現を狙う。ただ、三年前と同様に民主連合と共産が直接手を結ぶことは避け、市民団体の市民連合みえを介する枠組みが、有権者に分かりにくい面もある。

 野党候補一本化は五月下旬、立憲民主、国民民主、共産などが党本部で合意。実働する県内組織が協定を結んだことで、正式に体制が整った。

 県庁での調印では、まず芳野さんと市民連合が協定を結んだ。さらに市民連合が民主連合、共産、社民とそれぞれ協定を結び、市民連合を介して芳野さんと各党がつながった。芳野さんは民主連合に所属するものの無所属で出馬し、立民、国民は既に芳野さんの推薦を決めている。

 各党は一月ごろから候補者一本化へ協議を続けたが、旧民進の支持組織の民間労組で共産への拒否感が強く、交渉は難航。民主連合の三谷哲央幹事長は「連携できる感慨を持っている」と話す一方、芳野さんを政党間の調印の場に同席させなかった。それでも共産の大嶽隆司県委員長は「われわれは候補を降ろしてまで応援しているので全力でやるが、共産の名を強調はしない」と理解を示した。

 協定は三年前の統一候補の芝博一参院議員が結んだ内容と同じ。安保法制の廃止▽立憲主義の回復▽安倍政権による改憲の阻止▽アベノミクスによる生活破壊を許さず格差を是正する−の四項目を芳野さんの公約にする。

 会見した芳野さんは「三年前の四項目を引き継ぎ、安倍政権の暴走を止めたい」と訴えた。市民連合の呼び掛け人の芦葉甫弁護士は「われわれはブリッジ協定で芝参院議員、中川正春衆院議員を国政に送った。今回も市民と国政に代表を送りたい」と話した。

 一方、自民現職の吉川有美さん陣営で選対本部長代理を務める水谷隆元県議は「芳野さんが共産党と手を組んだことは当然争点になる」と対決姿勢を強めた。

(森耕一、鈴鹿雄大)

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