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石川

候補者に聞く (下)

2019年7月7日

政府機関移転で活力

田辺徹さん(58)=国民新人

政治の道に向かう決意を語る田辺徹さん=金沢市若宮で

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 −出馬を決めた理由は?

 「オペラ歌手として活動したドイツから二〇〇七年に帰国し、日本の社会保障の冷たさに愕然(がくぜん)としたことが、政治の道へと向かわせた。ドイツでは社会保障が手厚く、働きやすい労働条件がそろっていた。ドイツで長男を育てたが公立学校の授業料はほぼ無料。子ども手当も手厚く、経済的負担は日本と格段に違う。労働条件でも病欠は医者の診断書があれば有給休暇とは別に有給で休める。日本の友人がインフルエンザにかかり有給休暇を使って休んだと聞いて驚いた」

 −横浜市出身だが、地方創生にどう向き合うか。

 「石川県は金沢とその周辺、加賀や能登との格差が大きい。地方創生というと、石川では北陸新幹線開業による観光客の増加などが挙げられるが、観光だけに頼るのはいけない。新幹線が開業して便利になったのなら、政府機関を移転させないと。文化庁だけではだめ。主要な政府機関を金沢に移転させれば企業も石川に来る。地方創生は政府主導、もっと大胆にやらなければ。大都市ですら人口流出している。政府が本当に力を入れないと東京一極集中は止まらない」

 −国会議員のあるべき姿についてどう考える。

 「皆さんの声を聞くことだと思う。与党議員でなければ地元の要望が伝わらないとも言われるが、今は逆ではないか。与党議員は忖度(そんたく)し、安倍晋三首相がやりたくないことは提案もしない。オペラは人の営みの一場面を切り取り、音楽や舞台芸術を駆使してドラマ化する。政治も同じ。生活で困っていることや怒りを感じる場面を切り取り、問題をどう取り上げるか、どう取り組むかということだ」

 −年金問題をどう見る。

 「金融庁審議会の報告書を受け取らないなど安倍政権の対応はおかしい。老後資金に二千万円足りないという試算に率直に向き合わない姿勢だと、県民に訴えなければいけない。年金問題はばら色の答えは出てこない。だからこそ、誠実に話し合うことが重要だ」

 −今回の争点は。

 「消費税の増税だ。景気が悪化する中、増税はできない。消費が冷え込んだら会社の業績が落ちる。つまり、冬のボーナスや来年の春闘に関わってくる。皆さんの財布の問題。憲法についても指一本触れてはいけないということはない。しかし、安倍政権下での改憲は危ない。日本が戦争の準備を始めたというメッセージを海外に与えかねない」

主な政党の公約

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