候補者に聞く (上)
2019年7月6日
四日公示された参院選は二十一日の投開票に向け、自民現職の山田修路さん(65)と野党統一候補で国民民主新人の田辺徹さん(58)が舌戦を繰り広げている。どんな思いを胸に課題と向き合うのか。二回に分けて紹介する。
さらに石川を元気に
山田修路さん(65)=自民現職
再選を目指し、自身の政策や抱負を語る山田修路さん=金沢市西念で |
−二期目を目指す。一番訴えたいことは。
「これまでの六年間も地方を元気にすることを目標、テーマに仕事してきた。地方が、石川県がもっともっと元気になるように思いを伝え、活動していく」
−昨年十月まで一年余り、総務政務官を務めた。
「地方を元気にすることが大きな任務。東京一極集中は人口ばかり言われるが、資金も同じ。地方でいろんなものを売った、その収益が東京の本社に上がっている。日本全体の発展を考えると、地方を大事にしていく必要がある。在任中に力を入れたのは、都会にある財源を地方に配分する仕組みづくり。森林環境税もその一つだが、資金を地方に回すことが大事だ」
−一期六年で印象に残った仕事は。
「国家公務員時代も政府間の貿易交渉に当たったが、米国やオーストラリア、ベトナムを訪れ、TPP(環太平洋連携協定)交渉の手伝いが多少なりともできた。手取川の濁水問題も関係省庁の意見をまとめ、速やかに復旧工事に入った。北朝鮮による大和堆(たい)での違法操業問題では水産庁や海上保安庁による取り締まりを強化した。公務員時代の経験を生かしながら地方の活性化、貿易問題について活動ができたと自負している」
−老後資金問題に絡み、年金に不安を抱える人は少なくない。
「急速に少子高齢化が進む中で負担と給付をどう考えるか。旧民主党政権下で当時の与野党三党で合意したのは、ある程度の負担を頂きながら給付していく中福祉、中負担の形。その財源として消費税増税に合意した。与野党の合意の下で進めてきたことが良かったのか。問題があるならどうすべきか。政争の具でなく、もっと本質的な問題を議論し、課題があれば見直していかなければいけない」
−大きな争点の一つとなっている改憲については。
「憲法制定七十年余り。時代に合った憲法のあり方を議論していくことが大事だ。多くの人が納得し、合意できるものについて憲法改正をしていくべきだ。議論が分かれるものを無理やり決めるべきではない」
「安全保障では九条。多くの国民は自衛隊を肯定的に捉えている。その存在を憲法上にしっかり位置づけた方がいい。緊急事態条項も必要だ。二〇一一年の東日本大震災でも政府は混乱した。このほか参院の合区問題や教育の私学助成問題も現実と合っていないようなところがある。国民の理解は得られるのではないか」