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岐阜

<解説>野党共闘の限界露呈

2019年7月22日

 参院選岐阜選挙区は、自民現職の大野泰正さんが圧勝し、分厚い支持基盤を見せつけた。対する野党側は統一候補が二〇一六年の前回に続き完敗。野党共闘の限界を露呈し、早急な戦略見直しを迫られそうだ。

 県内の野党で主軸だった旧民進系は一七年秋の衆院選を前に分裂。それぞれ立民と国民の看板を掲げたものの党勢は低迷し、分裂の後遺症は深刻だ。

 そうした中、先手を打ったのが立民だった。県連は昨年十二月に梅村慎一さんの擁立を決定。国民、共産、社民が共闘に加わった。野党側は三年前に続いて、形の上では自民との一騎打ちの構図に持ち込んだ。

 だが、内実は一枚岩とは言い難かった。旧民進系を支える連合は共産に抵抗感が強く、野党四党がそろい踏みするのは、市民団体が主催する集会や街頭演説のみ。共闘の相乗効果が発揮された場面は少なかった。

 野党各党の支持率は県内でも停滞が顕著だ。本紙の出口調査で支持政党を聞いたところ、自民は45・7%。これに対し、立民と国民の支持率の合計は17・4%で、三年前の旧民進(19・0%)すら下回る。野党が支持層を固めるだけでは、勝機を得るのが難しいのは明らか。「支持政党なし層」などに効果的にアピールしなければ、自民の背中は見えてこない。

 野党側が力不足を有権者に見透かされ、盛り上がりを欠いた選挙戦の投票率は低迷した。政権選択が問われる次期衆院選では、県内の各選挙区で自民に代わる有力な選択肢を示せるのか。有権者に厳しい問いを突き付けられている。

 (県政キャップ・稲田雅文)

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