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岐阜

年金問題、若者はどう見る 岐阜大生が受給者団体取材

2019年7月18日

鈴木さん(右)の訴えに耳を傾ける杉田さん(中)と藤田さん=岐阜市徹明通で

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 老後資金二千万円問題で年金制度が参院選の大きな争点となっている。少子高齢化が進展する中、世代間の意見対立も避けられない問題を若者たちはどう見るか。学生新聞「岐大新聞」の発行メンバーに年金者組合を取材してもらい、意見を聞いた。

 協力してくれたのは、三月に岐阜大の有志たちが設立した新聞発行のための同好会「How do」代表の杉田月菜さん(21)=地域科学部三年=と、メンバーの藤田夏未さん(21)=同。杉田さんは「年金が、もらえることを当てにしていない若者は多い」と言う。

 「国が若者の意見をはねのけ続け、無力感が広がっている。選挙だけでなく、政治の話自体がしづらい」

 二人には、マクロ経済スライドによる年金の減額は違憲と主張し、国を相手取った裁判を起こしている「全日本年金者組合岐阜県本部」(岐阜市徹明通)の取材をしてもらった。事務局の鈴木敏史さん(76)が対応してくれた。

 鈴木さんらが二〇一五年十月に提訴してから、四年になる。二人には、この間、物価は上がっているのに年金受給額は増えていない現状や、雇用が不安定で、厚生年金の加入が難しい非正規雇用者も増えていることを説明し、「社会保障制度が国民のためになっているのか。制度が脆弱(ぜいじゃく)だ」と訴えた。

 藤田さんは「高齢者は割と恵まれていると思っていたが、現在の制度でも困窮している人たちがいるのが分かった。世代間で争うのではなく、連携するのが大切。若い世代には発信するスキルがある。私たちが発信することで問題を広く伝えていくことができるのではないか」と話した。

 杉田さんは「少子高齢化や核家族化の進展など、社会は変化しているのに、変化に合わせず制度を変えてこなかったツケが顕在化している」と現状を分析した。

 「年金の話は税金の話につながる。考えなければいけない要因は多い。選挙は静観するのではなく、絶対に投票しないといけない」と語った。

 (高橋貴仁)

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