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岐阜

県内奔走、候補者の訴えに熱 投票前ラストサンデー

2019年7月15日

 参院選の岐阜選挙区(改選数一)では、投開票日(21日)を前に最後の日曜日となった14日、各候補が観光地や商業施設などを駆け巡り、訴えに熱を込めた。一方、耳を傾けた有権者たちは何を感じたのか。一日の動きを追った。

 自民現職の大野泰正さん(60)=公明推薦=は午前8時15分、関市の山あいの板取地区で演説に立った。「想定外の豪雨、人口減少もそう。立ち向かうには政治の安定が必要です」

 聞き入った自治会長の長屋正伸さん(60)。地域の過疎化は著しく、3年前に地元中学校は閉校。昨年7月の豪雨では避難指示が出て、停電が長引いた。「暮らしていくには不安も多く、やはり政治の力が必要だ。過疎の現状に目を向けてもらいたい」と話した。

 午後0時45分。大野さんは家族連れでにぎわう関市南部の大型ショッピングセンターでマイクを握った。下村博文・元文部科学相の応援演説もあった。大野さんは各務原市の5カ所で開いた個人演説会を渡り歩き、午後7時。最後の会場で70人の支援者に「一宮ジャンクションから(名古屋の)港を結ぶ道路の整備に取り組む。道をつくって産業をもっと元気にする」と熱弁を振るった。

 立憲民主新人で野党統一候補の梅村慎一さん(48)=国民民主支持=は、朝から郡上市や美濃加茂市などを遊説。午後1時には、美濃加茂市のスーパー前で声を張り上げ「アベノミクスでは地方から東京にお金と人が流れ、地方は疲弊している。私は、地方でも若者が結婚し、家を買い、明るい未来が描ける、そうした社会にしたい」と、都市と地方の格差是正を訴えた。

 その後、選挙カーに乗って下呂市に入り、観光客でにぎわう市街地や山間部を巡った。午後7時には、この日の締めくくりとなる個人演説会。「岐阜で普通に生活している方々の声を、国政に届けたい」と力を込めた。

 訪れた有権者は90人。下呂市の元会社経営の男性(85)は「現役時代、努力しても社員の待遇は都会の会社に全然及ばなかった。公務員以外にまともな収入を得られる仕事がない地方の現状を、政治が変えてほしい」と語った。

 岐阜選挙区では、政治団体「NHKから国民を守る党」の新人坂本雅彦さん(47)も立候補している。

 (安福晋一郎、長崎高大)

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