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岐阜

<候補者の横顔>

2019年7月6日

 参院選岐阜選挙区(改選数一)には現職一人と新人二人の三人が立候補し、論戦を交わしている。それぞれ、どのような人生を歩み、政治を志したのか。横顔を紹介する。

 (上から届け出順)

◆政務官の経験が自信に 大野泰正さん(60) 自現

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 十年間の県議時代を経て、二〇一三年に参院議員に初当選。今は、仕事一筋の日々を送る。東京で会合や国会の委員会をこなしつつ、夕方には新幹線に飛び乗って岐阜の支持者と会い、夜遅くにまた東京に戻る−といった日が、週に二、三回はある忙しさという。

 一六年から一年間の国土交通大臣政務官時代には、東海環状自動車道をはじめ全国の高速道路の二車線区間で、対向車との接触を防ぐワイヤロープ設置を実現。この時に積んだ経験や成果が自信になっている。

 祖父は故大野伴睦・自民党副総裁、両親も元国会議員という政治家一家で育った。自身は学生時代、野球やアイスホッケーに夢中に。「次男だったから気楽に遊び回っていた」

 若い頃、理想論を振りかざすと、父明さん(故人)にたしなめられた。時にぶつかりながら会話を重ね、「政治は人が生きることを支えて国を元気にするもの」と肌で感じてきたことが、政治家を志した原点だ。

 ひとときの安らぎを感じるのは、三年前から羽島市の事務所で飼うようになった猫が膝に乗ってくる時という。「二、三分でも時間があれば事務所に寄ろうかなと思う」とはにかむ。

◆人権に関心、憲法学ぶ 梅村慎一さん(48) 立新

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 司法書士の業務で成年後見人を務め、高齢者の財産管理をする中で公的年金への問題意識を持った。ぜいたくをしているわけではないのに国民年金だけでは暮らせず、貯金が毎月みるみる減っていったという。

 「これでは、若い人が将来に希望を持てない。大きな蓄えがなくても安心できる社会であるべきだ」

 岐阜市出身で、岐山高校を卒業。男女平等や少数者の人権への関心から、憲法を学びたいと考え、早大法学部に進学した。十六銀行での勤務を経て、同市内に司法書士事務所を開いた。

 政治家を志したことはなかったが、転機は昨年。知人の市議に頼まれ立憲民主の県連設立に関わるなどするうち、出馬の打診を受けた。「まずはしっかり憲法を守った上で、議論をぶつけていこうという党の姿勢に共感を覚えた」と話す。

 趣味はAMラジオと、大学時代に始めたスキー。ラジオ局にはかつて、はがきを出したり、電話をかけたりもした。「気軽さや双方向性などが魅力」という。

 共働きの妻(49)と二人の娘との四人暮らし。「子育てや家事は夫が妻を手伝うのではなく、分担するもの」という。家庭では洗濯や夕食づくりなどの担当だ。

◆受信料の不公平なくす 坂本雅彦さん(47) 諸新

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 公共放送NHKの受信料制度についての主張を展開する政治団体「NHKから国民を守る党」から立候補した。「受信料の不公平を解消したい」と、NHKを受信料を払った人だけが視聴できるスクランブル放送にするよう訴える。

 兵庫県出身、東京都在住。結婚式場運営会社と貸し切りバス会社を経営している。岐阜県に居住歴はなく、地縁、血縁もない。公示日は届け出をしただけで、街頭演説などはしなかった。事務所も構えず、選挙期間中に県内入りするかは未定という。

 数年前から同団体の選挙運動をボランティアで何度も手伝い、ポスター貼りやビラ配りをしてきた。今回、出馬を打診され「迷うことなく決意した」。当初は千葉選挙区から出馬する予定だったが、団体内の事情で岐阜に移ったという。

 同団体の活動に加わったきっかけは、動画投稿サイトのユーチューブ。団体の代表がNHKについての主張を述べる動画を繰り返し見るうち、共感を抱いた。今回の参院選を「NHKの諸問題を国全体に周知するチャンス」と位置付ける。

 学生時代はボクシングに熱中し、プロを目指していた。趣味は野球観戦で阪神ファン。

主な政党の公約

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