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岐阜

政党支援、動き活発 業界団体も選挙モード

2019年6月26日

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 七月四日公示が有力とされる参院選が近づき、政党の支援団体の動きも活発になってきた。岐阜選挙区(改選数一)では自民現職の大野泰正さん(60)=公明推薦=が早々に業界団体の推薦を集め、主要野党の統一候補で立憲民主新人の梅村慎一さん(48)は労働組合や市民団体への浸透を図る。

 「大野先生には、われわれの思いを親身に聞いていただいている」

 二十三日、岐阜市であった大野さんの事務所開き。JA関係者でつくる県農協農政連盟の桜井宏会長は居並んだ党関係者を前に気勢を上げた。「どの友好団体も同じだろう。それぞれの組織で、全力で取り組む」

 農政は環太平洋連携協定(TPP)、経済連携協定(EPA)、日米貿易交渉と、農家の暮らしに直結する難題が山積みだ。県農政連は昨年十二月、いち早く大野さんに推薦を出した。担当者は「断固たる姿勢で交渉に臨み、交渉過程の透明性を確保するよう働き掛ける、との決意をうかがえた」と説明する。

 岐阜は衆参の全選挙区を自民が独占する。あらゆる業界に根を張る「友好団体」は長年、自民の集票マシンの役割を果たしてきた。

 民主党政権の誕生で足並みが一部乱れた時期もあったが、二〇一二年の自民の政権復帰から二度の参院選を経て結びつきは、再び、強固なものとなっている。主要団体はおしなべて大野さんを既に推薦した。

 党県連は、各団体の上部団体が推す自民の比例代表候補ごとに所属県議一〜三人の担当を決め、選挙区と比例代表の連動を図る方針だ。

 対する梅村さん陣営の中核は連合岐阜が担う。旧民主党、民進党の支持母体で選挙活動の手足となってきた。

 民進は一七年の衆院選を機に分裂し、連合傘下の労組も立民系と国民民主系とで股裂き状態にある。連合岐阜と立民、国民の両県連は昨年十二月、全国に先駆けて梅村さんを統一候補に決めた。連合岐阜としても二月に推薦を決め、結束をアピールしている。

 連合とは伝統的にライバル関係にある県労連も、安倍政権打倒で歩み寄った。「各組合に対し、積極的に梅村さんを野党統一候補として紹介している」と、支援に前向きな姿勢を見せている。

 梅村さんは先月末、立民、国民、共産、社民の四野党と市民団体でつくる「ピースハートぎふ」と基本政策の合意を交わし、支援体制のウイングを広げた。ただ、連合内には共産との連携に消極的な組合員もいるとされ、「共闘が十分に機能するかは未知数だ」(連合関係者)との声もある。

(杉浦正至)

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