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福井

各陣営、投票率低下を予想

2019年7月18日

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 参院選は二十一日の投開票日まで残り四日となった。三人の争いとなっている福井選挙区(改選数一)は盛り上がりに欠け、投票率は二〇一六年の前回選の56・50%を下回るとの見方が強い。50%を切れば、県内の参院選では初となる。

 野党統一候補で共産新人の山田和雄さん(52)の陣営は、投票率が「前回を下回る恐れがある」とみている。自民現職の滝波宏文さん(47)の陣営はかなり低めの「40%台」と予想。それぞれ「今の政治に無関心な層が増えているようで全体的には関心が低い」「熱が全然感じられない」と理由を挙げる。諸派新人で政治団体「NHKから国民を守る党」の嶋谷昌美さん(48)は「50〜55%」と見込む。

 福井選挙区の投票率は、一九八〇(昭和五十五)年の85・39%を最高に低下傾向にある。滝波さんが初当選した前々回の一三年は53・78%で、一九九五年(53・02%)に次ぐ過去二番目の低さだった。三年前に2・72ポイント上昇し、なんとか50%台で踏みとどまっている状況だ。

 今回は「自民対野党共闘」を軸に分かりやすい構図になっているが、山田さんと滝波さんは六年前も対決しており、新鮮さには欠ける。加えて、両陣営の組織はどちらも一枚岩になりきれていない。自民が分裂し、十六年ぶりのトップ交代劇があった知事選から三カ月しかたっておらず「県内に選挙疲れがある」(自民党県議)のも確か。複数の要因から「投票率は下がる」と見る人が多い。

 また福井選挙区では、自民候補が九連勝中。初めて野党共闘で挑んだ前回も自民候補が快勝しており、「強すぎる自民」がしらけムードをつくっているとの指摘もある。

 参院選と同じ全県一区で行われた四月の知事選の投票率は10ポイント余り回復したが、それでも58・35%。投票率の低迷は、県内でも慢性的になっている。

 (尾嶋隆宏、山本洋児、今井智文)

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