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福井

幹部や大臣、応援合戦 野党統一、自民の両陣営

2019年7月6日

 参院選福井選挙区(改選数一)は五日、中央からの応援合戦の様相を呈した。共産新人で野党統一候補の山田和雄さん(52)を応援するため、共産党の志位和夫委員長が七年ぶりに来県。一方、再選を目指す自民現職の滝波宏文さん(47)=公明推薦=のもとにも、茂木敏充経済再生担当相が駆け付けた。両陣営には今後も「幹部級」が訪れる予定だ。

 「安倍首相の下で憲法九条を変え、海外で戦争する国にするのかが大争点だ」。福井市の西武福井店前で志位委員長は声を張り上げた。隣に立つ山田さんの手を天に上げて「私との『かずおコンビ』で戦っていきたい」とアピールした。

 山田さんは、共産が全国三十二の改選一人区で立てた唯一の公認候補だ。野党一本化を進めるため、共産は全国各地で候補を立てなかったため。二〇一二年五月以来、さらに選挙戦二日目の党首来県は「福井重視」の証しといえる。

 実現させたいのは、山田さんへの「党派を超えた支持」。党首自ら「野党は十三項目の政策協定を結び、消費増税中止や原発ゼロなど共通の旗印がある」と説明した。十日には、小池晃書記局長が福井市内で演説する。

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 「憲法、安保、経済への考え方はバラバラなのに選挙は期間限定で手を組む。こういう野党に日本の将来は任せられない」。茂木経済再生担当相は南越前町上野で街頭演説し、野党共闘を強く批判。傍らの滝波さんへ「大きな力添えをお願いします」と語った。

 滝波さん応援のため、六日に世耕弘成経済産業相、七日に山下貴司法務相も来県する見込み。「大臣三連チャン」は県内の国政選挙ではまれだ。

 滝波さんは一期目ながら、経済産業政務官を務める。事務所には国会議員のげき文がひしめく。公示前にも、県連との溝を埋めようと党の甘利明選対委員長らが県内入りしていた。相次ぐ大臣の来県は、滝波さんにとって一期六年で確かな人脈を築いた、と県民にアピールする意味がある。

 福井選挙区には、諸派新人で政治団体「NHKから国民を守る党」の嶋谷昌美さん(48)も立候補している。

 (今井智文、中場賢一、尾嶋隆宏)

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