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福井

野党共闘は限定的か 共産候補、推薦支持なし

2019年6月26日

 今夏の参院選福井選挙区(改選数一)で、野党統一候補となった共産公認で新人の山田和雄さん(51)に対し、県内野党の立憲民主、国民民主、社民の三党はいずれも推薦や支持を出さない見通しとなった。野党共闘をまとめる市民組織「ピースふくい」を核にして共通政策のアピールや街頭活動が行われる予定だが、野党間の組織的な協力は限定的になりそうだ。

 福井選挙区を巡っては野党五党派が五月二十二日、中央主導で山田さんへの一本化を決定。これに対し、立民、国民、社民の各県連側は「無所属の方が戦いやすい」などとして山田さんの無所属立候補を求めた。共産党県委員会は全国三十二の改選一人区で共産公認の統一候補は福井のみであることから公認での擁立を望み、三党も受け入れて今後の方針を検討していた。

 共産党は五日に志位和夫委員長が県内入りするなど党を挙げての選挙戦を進める方針だ。

 これらの動きに対し、連合福井は「非自民・反共産」を理由に、参院選福井選挙区には応援できる候補がいないとして関与しないことを決定。国民民主県連も支持や推薦を協議する予定はないとしている。斉木武志県連代表は取材に「無所属であれば推薦などもあり得たが、党公認となると、エネルギー政策などの違いがある」と説明した。

 立憲民主は二十四日の運営委員会で「山田さんを推薦や支持はしないが、できる限りの応援をする」という方針を確認。野田富久代表は「党と党で活動するのは難しいが、ピースふくいの街頭活動などに協力していく」と述べた。

 社民は二十五日、福井市内で選挙対策委員会を開き、やはり推薦や支持は打ち出さず「社民の比例候補当選に全力を挙げるのに合わせ、山田さんに協力する」という方針を決めた。

 共産党県委員会の南秀一委員長は「各党の事情を尊重しつつ最大限の力を合わせていく方針に変わりはない。ピースふくいとの共同の取り組みも進める」と話した。

 参院選には自民公認で現職の滝波宏文さん(47)=一期目=が公明推薦で立候補を表明している。

(今井智文)

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