• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

福井

与野党一騎打ちの公算 両予定者に課題も

2019年6月4日

 参院選の公示日として有力視されている七月四日まで、残り一カ月となった。福井選挙区(改選数一)では、自民党公認の滝波宏文さん(47)=一期目=が再選を目指し、野党は共産党公認で旧三国町議の山田和雄さん(51)を統一候補にして対抗する。

 滝波さんは「地方の成長なくして、わが国の成長なし」をキャッチフレーズに掲げる。五月二十五日の事務所開きでは、都市部・大企業に偏った成長ではなく、地方産業を世界市場に直結させ、多様な成長をつくっていくと強調。北陸新幹線の整備促進などにも引き続き取り組むと約束した。

 山田さんは、参院選を「憲法を守る戦い」と表現する。安倍晋三首相がこだわる改憲は「自衛隊を憲法に書き込みたいがため。軍隊を当たり前のように持つ国になる」と反対する。同二十六日の事務所開きには立憲民主、国民民主、社民の県内代表者も出席し「野党でつぶし合いはしない」と山田さんを後押しした。

 ただ二人とも課題を抱えている。滝波さんは、自民党県連執行部との亀裂が修復できていない。執行部側は、滝波さんが四月の知事選で党推薦候補の支援に全く動かなかったため「自分の選挙の時だけ応援しろと言われても、できない」と主張。県内での挙党態勢の構築に不安が残る。

 山田さんを巡っては、連合福井が「応援できない」との考えを示した。立民、国民、社民の各県連は、円滑な支援のために山田さんが無所属で出馬するよう共産党県委員会に申し入れた。

 参院選が七月四日に公示されると、投開票日は二十一日になる。衆院選との同日選となった場合は、全体の日程が数週間遅れるとみられている。

(尾嶋隆宏、山本洋児、鈴木啓太)

主な政党の公約

新聞購読のご案内