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愛知

<候補者ルポ>(下)ネット 発信 浮動票取り込みへ

2019年7月20日

 週末の名古屋・栄。「遊びでやっているわけではありません」。国民民主党現職大塚耕平さんが演説中、インターネットで公開した自作アニメ動画のキャラクター着ぐるみを紹介した。

 約二分の動画は、優しい民主主義怪獣が、悪役によって暴れさせられる内容。短文投稿サイト「ツイッター」で出現を予告。通行する子どもの足を止め、親世代に民主主義の危機を訴える狙いだ。

 チラシにはアニメや政策を紹介する動画のQRコードを付け、ネットと現実の活動を組み合わせた。毎日午後十時からトーク番組もネット中継している。

 今回の参院選での「全国最年少候補」をPRする公明党新人安江伸夫さんは、ツイッターやインスタグラムなど四種の会員制交流サイト(SNS)を駆使して若い世代への政策発信に力を入れる。

 SNSでは、街頭で握手した人の数をカウントして表示。十八日に十万人を突破し、陣営は「試行錯誤で始めたが、手応えは十分」と浸透ぶりを演出する。支持母体を中心に票固めを図る基本戦略に加え、若年層などの浮動票を取り込む秘策としてネットを積極的に活用している。

 一方、諸派新人末永友香梨さんは選挙戦終盤の十八日、栄で初の街頭演説に臨んだ。これまでの活動は動画投稿サイト「ユーチューブ」など、すべてネット配信。連日、自らの主張や他候補の演説会に参加した印象を語る。春日井市議の夫は「ネット上では関心は間違いなく高まっている」と手応えを語る。

 六年前の参院選で解禁されたネットによる選挙活動。効果は未知数ながら、どの陣営も取り組みに力を入れる。

 共産党新人須山初美さんはツイッターなどで政策や演説日程を積極的に発信。投稿の際は検索に使うハッシュタグに党のスローガンを加え、拡散を図る。立憲民主党新人田島麻衣子さんも、街頭演説の告知をツイッターなどで発信し、演説の写真や動画に加え、遊説先でのランチなども紹介している。

 自民党現職酒井庸行さんはツイッターとフェイスブックに個人演説会の写真などを一日最低二回はアップ。候補者目線の写真で臨場感を演出するなど工夫を凝らす。日本維新の会、減税日本の新人岬麻紀さんもフェイスブックで活動の様子や予定を掲載。聴衆にもSNSを使った発信を呼び掛けている。

 社民党新人平山良平さんもフェイスブックに街頭演説の動画を載せ、支援者のコメントを次の演説の参考にしている。

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