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愛知

<候補者ルポ>(中)離島、山間部 人口減、最前線で声拾う

2019年7月19日

 「二〇二七年のリニア中央新幹線開業で、生活は大きく変わる。日間賀島だから関係ないということはあり得ない」

 六日午後、南知多町の日間賀島漁協であった個人演説会。ミニバイクで集まった百人弱の漁師らに、自民党現職酒井庸行さんが語りかけた。製氷機の更新期を迎え、補助金を求めている漁協に言及し「やれることはどんどんやる。必死に汗をかいていく」と訴えた。

 選挙戦では県内全域を回り、百〜二百人規模の個人演説会を連日三カ所ほどで開催。地域の課題にきめ細かに対応する姿勢をアピールする。

 「平成の大合併で多くの町や村の役場が支所になり、どんどん衰退していった」。九日、人通りまばらな新城市鳳来総合支所前に、街頭演説する社民党新人平山良平さんの姿があった。

 国政挑戦は二〇〇七年参院選以来、七回目。前日八日には旧富山村(現豊根村)を訪れ「十二年前に比べて人口は半分近く。子どもがおらず将来がない」と現政権の無策を批判。「最低賃金を時給千五百円に引き上げれば、商店街で買い物をする人が増えて地域が元気になる」と呼び掛けた。

 県内十五の選挙区に分かれる衆院選と異なり、参院選は県全域が票田となる。各陣営は限られた選挙期間の中でも人口減少などの課題を抱える山村、離島に足を運び、政策を訴えている。

 公明党新人安江伸夫さんは選挙戦中盤、新城市出身の太田昭宏前党代表と豊川市や蒲郡市などを遊説した。推薦を受ける自民の国会議員、地方議員の協力も得て山間部の有権者への浸透を図る。

 連休中の十五日に豊橋、豊川両市を回り、農林水産業の充実を訴えたのは、共産党新人須山初美さん。政党カーや豊橋が地盤の比例候補らも東三河地方を連日回り、反自公票の取り込みを狙う。

 国民民主党現職大塚耕平さんは公示日の四日午後、豊橋市に入り、序盤から中盤にかけて渥美半島や知多半島などを回った。支援労組の多い西三河地方などでも組織固めに力を入れる。

 立憲民主党新人田島麻衣子さんは、山間地の豊田市稲武町などに足を運んだ。「廃校になった小中学校が多く、地元の人は名古屋市内との格差も感じると思う。訪れても多くの人と会える機会が少ないのが残念」と語る。

 日本維新の会、減税日本公認の新人岬麻紀さんは名古屋市内を中心に活動しつつ、河村たかし名古屋市長や、維新の比例候補、鈴木宗男元衆院議員らと豊橋駅前に立つなど、名古屋市外での支持拡大に懸命だ。

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