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愛知

<候補者ルポ>(上)都市部 工夫凝らし街頭で訴え

2019年7月18日

 日曜午後、名古屋市中区の大須商店街。立憲民主党の長妻昭代表代行が年金の不足を指摘した金融庁の審議会報告書を巡って熱弁を振るっていた。

 応援する立民新人田島麻衣子さんは一月に国連を辞め、愛知に来たばかり。知名度不足を補おうと三月から四カ月連続で枝野幸男代表が来県。公示後も党幹部が相次ぎ名古屋入りした。

 「週末は栄や名古屋駅で大勢の目に触れるようにしてきた。いかに露出を増やすかが鍵だ」と選対幹部。立民は三河地方に地方議員が少なく、終盤も名古屋市内を重点的に回る方針だ。

 「日本一給料の安い市長がやってきました」

 夕方の地下鉄市役所駅前。河村たかし市長が得意のフレーズを繰り出した。周辺は大相撲名古屋場所の観戦を終えた人であふれ返る。その傍らで、日本維新の会、減税日本公認の新人岬麻紀さんが道行く人に駆け寄って握手を求め続けた。

 一宮、安城など各市の維新市議とも連携した活動を展開するが、陣営関係者は「名古屋市外はまだまだ。何とか支持を掘り起こしたい」。頼りの「河村人気」をどう広げ、どう得票に結び付けるかが今後の課題と見定める。

 街頭での演説を終えた午後八時すぎ。共産党新人須山初美さんが手づくりのボードを抱えて名駅前に立った。参院選の争点や候補に望む政策をシール投票で通行人に尋ねる連夜の活動。「有権者と直接触れ合う機会。なるべく駆け付けるようにしている」と話す。

 三年前に続く二度目の挑戦だが、陣営は「議席獲得はまだ遠い」と受け止める。都市部での政権批判票の取り込みは戦略の柱だ。日中は名駅をはじめとする県内主要駅で街頭演説。十八日夕は小池晃書記局長を金山駅に呼び、最終盤に向けてこ入れをする。

 自民党現職の酒井庸行さんは連休中の十三、十四日、河野太郎外相、安倍晋三首相を応援に迎え、名駅前で演説した。公明党新人の安江伸夫さんも名古屋市や近郊での遊説に石井啓一国土交通相らが張り付き、党幹部と二人三脚で支持拡大を図る。

 国民民主党現職の大塚耕平さんは週末ごとに繁華街に立つ。「街頭予算委員会」と題し、国会で使ったパネルで政策を解説するなど工夫を凝らす。社民党新人の平山良平さんは公示直後の五日に福島瑞穂副党首を招き、名駅前など市内六カ所で政策を訴えた。

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 参院選は二十一日の投開票まで残りわずか。主な候補の戦いぶりを「都市部」「離島、山間地」「インターネット」の三つの場面から伝える。

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