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愛知

<主な候補の主張>(5)愛知でも始まる人口減少への対応策は?

2019年7月13日

※上から届け出順

◆安江伸夫さん=公新

 県内はものづくりが盛んなこともあり、賃金や役員比率など労働に関するさまざまな指標で男性優位の状況がある。女性が活躍できる場を設けていくことが重要だ。子育て支援が重要な柱になる。十月に消費増税と併せて幼児教育、保育の無償化が始まるが、その後もいろいろな角度から子育て世代への投資が必要だ。IT系など女性にもなじみやすい企業の積極誘致や、中小企業の事業継承支援なども今以上に推し進め、就労環境を整える。国と地方が連携し、人口減少に歯止めをかけていく。

◆大塚耕平さん=国現

 出産や子育て、教育にかかる負担が重いほど現役世代は慎重になる。次世代が育たないと社会は継続しないので、公的に社会全体でカバーする制度を作るべきだ。ただ子どもを持つ、持たないは個人の判断で、出生数が増えるかは分からない。結婚という形にこだわらない形での子どもたちをどう受容していくか。多様な形態を認めていくのが大きな流れだ。外国人の問題もある。四月の入管難民法改正はあまりにも拙速すぎた。外国人は受け入れていかざるを得ないが、進め方は検討すべき点が多い。

◆須山初美さん=共新

 若い世代が安心して暮らせる社会の実現を急がないといけない。県の最低賃金は千五百円に引き上げる。長時間労働是正などの働き方改革も急務だ。県内は、男女の賃金格差が全国平均より大きいとのデータがある。子育てしやすい環境づくりとともに、女性の活躍促進も積極的な取り組みが必要となる。農業の振興も鍵だ。家族農業、小規模農業をしっかりと支え、若い農家や新規就農を目指す人たちが食べていけるようにする。全国有数の農業県でもある愛知から農政の転換を訴えたい。

◆平山良平さん=社新

 低賃金、長時間労働の若者が結婚できないのは当たり前。特に非正規雇用の人たちの最低賃金を時給千五百円に引き上げ、ほっと一息できるような賃金体系を作らないといけない。オーストラリアは千八百円で、韓国は毎年一割上げる。日本でもできるはずだ。日本は戦時中、捕虜に強制労働をさせて賃金を与えなかった。その反省を十分していないから同じことを繰り返す。かつてドイツの大統領は「過去に目を向けないものは現在が見えなくなる」と言った。その通りのことが日本で起きている。

◆岬麻紀さん=維新

 愛知には世界有数の自動車メーカーのトヨタを中心に、東三河の農業など力のある産業がある。産業分野で雇用を創出すれば、人口減少を食い止められるのではないか。外へ流出させない枠組みができたら、次に必要なのが教育の充実。名古屋市が取り組んでいる市立中学校への常勤スクールカウンセラーの配置では、開始から五年で相談件数が十倍になった。悩みを抱えた子どもたちが居場所を失い、孤立するのを防げば、将来的には産業の担い手を確保することになり、人手不足の解消にもつながる。

◆酒井庸行さん=自現

 東京一極集中で地方の人口が減少し、疲弊した。リニア中央新幹線は東京、名古屋、大阪の三大都市だけでなく、全国に人を動かし日本を隅々まで元気にさせる。少子化に対しては幼児教育無償化などの対策をとっている。教育の充実、生活の安定も必要だし、虐待やいじめは無くさなければならない。一番大事だと思うのは、親子関係がしっかりしていること。そのためにも離婚はなるべく避けるのが大事。お互いにきちんと見つめ合う社会をつくっていくことが、本当の少子化対策だと思う。

◆田島麻衣子さん=立新

 産むか産まないか悩み、仕事と育児の両立に苦しんだ経験のある男性や女性が政策を作っているか。家事も育児も奥さんに丸投げで議員になった人たちが作る政策はセンスがない。三歳まで抱っこし放題というが、三年間も仕事を離れると戻るのが難しくなるという女性たちの不安を理解していない。仕事と家庭を両立できずにやめてしまうのは国家にとっても損失。育休から戻って戦力外のように扱われる悩みも聞く。待機児童ゼロと保育士の待遇改善、男性の育休取得と仕事に戻れる仕組みが大事だ。

◆末永友香梨さん=諸新

 女性でも安心して暮らせる街づくりが必要。東京で一人暮らしをしていた時、不在時に男性のNHK集金人が何度もインターホンを押すのが録画されていて怖かった。条例で悪質な集金人の戸別訪問を規制するべきだ。女性が一人でも安心して暮らせる地域づくりをまず目指したい。愛知は女性の労働力率や管理職の割合が低い。働き方や企業組織が硬直化しているのではないか。時間に縛られない新しい働き方を支援し、女性が活躍できる場を増やすことで労働力人口や人口減少に歯止めをかけたい。

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