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愛知

<主な候補の主張>(4)憲法改正は必要だと思う?

2019年7月12日

※上から届け出順

◆安江伸夫さん=公新

 現憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三原則は絶対に譲れない、変革することのできない普遍の原理だ。一方で、環境権やプライバシー権、自分の個人情報の開示、非開示を自ら管理できる自己情報コントロール権など、時代の流れの中で新しい人権を憲法に加えていく必要性は当然あると思う。現憲法を維持しつつも、必要な文言を追加していく「加憲」の立場だ。九条に関しては、多くの国民が自衛隊を違憲と考えていないことも踏まえ、論点や議論の対象を明確にすることが必要だ。

◆大塚耕平さん=国現

 現時点では必要ない。初めての憲法改正は国会が全会一致で国民に問えるような改正を目標にするべきだ。新しい人権や統治機構に関しては、現憲法にも今の時代に合わない部分も出てきている。安倍さんの改憲の狙いは九条に絞られているようだが、国会で「自衛隊を書き込むのは、今が違憲と思うからか、書き込むことで何かが変わるからか」と質問したら「何も変わらない」と答弁された。何も変わらないなら、改正の必要はない。安倍さんの改憲論は理詰めではなく非常に感情的で危ない。

◆須山初美さん=共新

 どの条文も改正する必要は全くない。安倍首相は自衛隊員の子どもが悲しむから九条を変えると言う。真逆だ。自民の改憲案は自衛隊の海外での無制限の武力行使に道を開くことにつながる。危険な戦闘地域にお父さん、お母さんを送り出すことこそ子どもたちが本当に悲しむことだ。学費無償化や地方自治の強化を改正理由に挙げる議論があるが、憲法を変えなくてもできる。「憲法が古くなって現実に合わない」のではない。政治によって「憲法の理想に現実を近づけていく」ことが必要だ。

◆平山良平さん=社新

 憲法を守る。今変える必要はない。戦争をせずに、今の社会ができた。なんで戦争しなくちゃいけないの? 論より証拠でしょう。九条に自衛隊を明記すれば、新しい条文が優先され、戦争放棄の一項と二項は無にされる。今以上にたくさん自衛隊にお金を使うことになる。武力紛争で自衛隊が海外派兵され、武力行使をすれば、隊員に死傷者が出る。戦場を経験したら、米国のイラクからの帰還兵と同じで、多くの自殺者を出すことになる。安倍首相には、自分の野望を押しつけるなと言いたい。

◆岬麻紀さん=維新

 戦後すぐ、日本の国力が弱っている時に制定された憲法が一字一句変わっていないことが問題。社会の価値観や経済状況は当時から大きく変わり、憲法の規定と大きなずれが生じている。そのままの憲法を維持し続けるのは、あまりにも時代錯誤。人権やプライバシー問題など新たに盛り込むよう検討すべき課題もある。具体的な問題解決のため、教育の無償化や道州制を含む統治機構改革、憲法裁判所の設置などが必要。今の日本にふさわしく、世界平和に貢献できるような憲法にしていくべきだ。

◆酒井庸行さん=自現

 日本を守るとは、どういうことか。日本人、国土を守らないといけない。そのためには憲法九条に自衛隊の存在を明記して、きちんとした体制を整えておかないと。安保法制だって日本を守るためのものだ。反対する野党は戦争法案と言うけど、戦争なんて言葉は使わない方がいい。僕はそういう意識。安全のために、どうすればいいかを考えて動いている。改憲だって防衛のためで、自ら戦いに出るわけじゃない。九条の一項と二項は残して、戦いをしてはいけないという立場は変えない。

◆田島麻衣子さん=立新

 安倍政権下での改憲は反対。憲法は国民の権利や自由を守るために国家権力を縛るものなのに、自民党の憲法改正案は、国民が守るべきものが書かれていて非常に違和感を感じる。九条に自衛隊を書き込むのも、活動範囲が明確でなく恣意(しい)的に解釈されて平和主義が形骸化する可能性がある。ただ、改憲そのものに反対ではなく、例えば知る権利は明記すべきだと思う。民主主義の基本で、しっかり担保していかなければならない。時代は変わる。状況に応じて憲法に必要なものは入れていけばいい。

◆末永友香梨さん=諸新

 今の政府では国民の声をくみ上げ、必要な議論を進めるのは困難ではないか。憲法改正は非常に重大で、今まで改正しなかった日本では安易にできるものではない。NHKから国民を守る党は、国民の意見を直接反映させる仕組みを整えるなど、直接民主主義を方針に掲げている。国民一人一人が考えられるように、民意を問いながら議論を進めたい。NHKを見ていないのに経済的に苦しい人からも受信料を取る制度は、健康で文化的な最低限度の生活をうたう憲法二五条の趣旨に反する。

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