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愛知

<主な候補の主張>(3)安倍政権の外交・安保政策の評価

2019年7月11日

※上から届け出順

◆安江伸夫さん=公新

 安倍政権で幅広い外交活動が展開され、世界で日本の存在感が発揮されるようになった。公明党も昨年、山口那津男代表の訪中が実現し、良好な日中関係の維持に貢献してきた。二〇一五年の平和安全法制は、国民を隙間なく守れる体制を整備できた。これまでの外交、安全保障政策を評価しつつ、今後は国連の持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる「人間の安全保障」も重要と考える。武力ではなく、個々人の関係性で世界の平和を維持していく理念だ。実現に向けた施策を推進していきたい。

◆大塚耕平さん=国現

 評価できるのは、積極的に海外の首脳とパイプをつくる努力をしている部分。ただし、日本独自の外交というより米国追従の外交に偏重しているのは評価できない。首相のイラン訪問は米国の代弁者のようになって中東問題に介在した。昨年九月の日米共同声明で、自動車の輸出数量規制を受け入れないと実現できない項目が入っている。安全保障でも日米地位協定の見直しに非常に後ろ向き。安倍さんは「戦後レジームからの脱却」を掲げるが、地位協定はその最たるもの。毅然(きぜん)と対応するべきだ。

◆須山初美さん=共新

 北方領土の返還交渉も進展が見えず、対米国ではトランプ大統領の言いなりだ。機体の欠陥も指摘されるステルス戦闘機F35を、私たちの税金を使って「爆買い」しようとしている。三菱重工業小牧南工場(豊山町)を整備拠点にする構想もあり、県民の不安は大きい。沖縄・辺野古の新基地建設やイージス・アショア配備など、地方に暮らす人たちの民意を踏みにじる事態が続いている。日本を取り巻く安全保障上の問題が全くないとは思わない。憲法九条を生かした平和外交で解決を目指すべきだ。

◆平山良平さん=社新

 日本が米軍によって守られているというなら、自衛隊を増強する必要はない。在日米軍に毎年、思いやり予算を渡し、それに加えて多額の防衛費を使って米国から最新鋭戦闘機F35などの高額な兵器を買っている。教育などにお金を回さず、米国の軍需産業に渡すだけの死に金にしている。朝鮮半島で南北首脳会談が実現するなど東アジア全体に平和ムードができている。それに逆行し、韓国などとの関係を悪化させる安倍政権は、外交が破綻しているだけでなく、国民生活を破壊させている。

◆岬麻紀さん=維新

 経験のある安倍首相だからこそ米国やロシアとの首脳会談が成立している現実があり、他に代わる人材がいない。ただ、もっと国として言うべきことは強く言うことが必要。「和をもって貴しとなす」という姿勢は大事だが、そこに付け込まれ、見下されているように感じる場面もある。領土や海域の問題では、もっと日本の主張や立ち位置を明確にするべきだ。対米国ではトランプ大統領に対する「おもてなし」が注目されがちだが、なぜ必要かが明確であれば、手法としては妥当だと考えている。

◆酒井庸行さん=自現

 日本だけでは生きられない時代。経済の好循環をさらに大きくしていくためにも、外交は一番大きな要素になる。米中の貿易摩擦も、イランの問題にしても、安倍首相は世界の平和をどうつくっていくかを考えて、コーディネーターの役割を果たしている。利害の対立する国々を訪問して、戦争はだめだと説得している。外交はいかに互いの国が利益をつかめるかの交渉で、いわゆる互恵関係をつくっていくことが大事。米国のトランプ大統領との関係を見ても、コーディネートできるのは日本だけだ。

◆田島麻衣子さん=立新

 国連で十三年間、人道支援の仕事をしてきて戦争と平和が近くにあった。海外で一度も誰かが自衛隊に来てもらおうと言った場面に遭遇したことはなく、海外派兵は期待されていない。ホルムズ海峡でタンカー攻撃が起きた時、集団的自衛権を行使しないという見解が報じられていた。国民の幸福追求権を覆す明白な危険という話ではない。議論になること自体に恣意(しい)的な運用の恐れを感じた。今の防衛は、サイバー空間や宇宙が問題になってきているが、日本の自衛権の議論はついていっていない。

◆末永友香梨さん=諸新

 評価するとは言えないが、安倍首相のほかに適任者がいるかと言われると回答しかねる。国際情勢や外交・安保についての情報が、どこまで正確に発信されているのかが疑問だ。外交問題や国際情勢について報道機関は、政府や特定の国に偏った報道ではなく、公平公正な報道を日本国民に伝える必要がある。NHKは公共放送として客観的かつ正確な情報を国民へ報道するべきだが、そうなってはいないと感じている。NHKは、公共放送としての信頼をすでに失っているのではないか。

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