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愛知

<主な候補の主張>(2)年金制度は安倍政権下で改革が進んだ?

2019年7月10日

※上から届け出順

◆安江伸夫さん=公新

 以前は保険料がどれだけ上がるのかも、将来の給付がどうなるのかも不明確だった公的年金だが、老後を支える柱として百年先まで機能するよう、公明党の主導で二〇〇四年に抜本改革された。年金制度は揺るぎなく運営されている。十月からは、低年金者に月最大五千円の支援給付金も上乗せされる。二千万円の問題では、人生百年時代の過ごし方と制度の継続性の問題を混同させるような議論がされている。不安や誤解が広がっているのは政府の説明不足の裏返しとも言え、丁寧に説明していきたい。

◆岬麻紀さん=維新

 年金だけで安心して生活できると考えていた人は少ないのではないか。だが「百年安心」とうたっていた年金制度で、老後二千万円が不足すると具体的な数字が出てくれば驚きや怒り、落胆につながるのは当然だ。国会議員など政治家の高い報酬を考えれば二千万円をためることは難しくないが、市民には果てしない金額。少子高齢化で制度を支える側の人数は少なくなる。将来、自分たちに還元されないと分かっていれば、モチベーションを維持できない。年金制度自体の抜本的な見直しが必要だ。

◆大塚耕平さん=国現

 百年安心と言っているが、それは年金の資金繰りが厳しいときには政府の判断で受給額を引き下げられるから。国民の生活や年金受給額を意味しているわけではないと認めるところから見直しが始まる。安倍政権は六年続いているが、正直さに極めて欠ける。その典型が今回の金融庁の審議会報告書を巡る対応だ。可処分所得や賃金そのものを増やして貯蓄を増やさないといけない。五年前の年金財政検証の想定シナリオより経済状況が悪いのに、今年の検証結果を公表せず、何も対策を打っていない。

◆酒井庸行さん=自現

 野党は年金が崩れるというが、きちんと守れる制度になっている。景気の改善で昨年度は六十兆円を超えた税収が豊かであれば、手の打ち方はいろいろ考えられる。少子高齢化で負担が大きくなるのは確かだが、一生懸命働いて景気が良くなった分だけ年金は豊かになる。それが社会情勢に合わせて年金の給付水準を調整するマクロ経済スライドだ。金融庁の報告書問題は説明不足だった。その点は反省しなければならない。ただ年金がなくなることはない。きちんと説明すれば分かってもらえるはずだ。

◆須山初美さん=共新

 安倍政権は、物価や賃金の伸びより年金の伸びを低く抑えるマクロ経済スライドを二回も発動した。アベノミクスで物価が上昇する中、使える年金はどんどん減らされている。国民の怒りと不安は増している。賃上げや正社員化で年金財源を豊かにし、安心して暮らせるように社会保障を充実させる必要がある。平均的家庭で生活費が月五万五千円足りなくなるとした金融庁報告書はある意味、正直に現状を示した。議論の契機とすべきなのに「なかったこと」にした現政権にはあきれるほかない。

◆田島麻衣子さん=立新

 年金の議論は進んでいないと思う。問題は、議論しようと思っていないことだ。金融庁の審議会がまとめた報告書問題では、政府が諮問会議に投げておいて、報告書を受け取らないのはおかしい。報告書をなかったことにするのではなく、国民的議論をすることが大事だと思う。立憲民主党は、総合合算で自己負担を区切る制度を提案している。平成の三十年間に子どもの数が八百万人少なくなった。構造的な問題として少子高齢化に歯止めをかけないと、根本的な解決にはならないと思う。

◆平山良平さん=社新

 現行のマクロ経済スライドは、社会動向を勘案して給付額を決めるという。何かしら理由をつけて下げる方向になる。給付を削る仕組みだ。金融庁の二千万円の報告書は、長年働かせた上に、さらにためよと。そんな政府あるかと言いたい。国の財政から支出して、きちんと年金をアップしないと景気も良くならない。減税してきた法人税率を元に戻して、財源にすればいい。企業の内部留保を国民のために活用する。使わなければ意味がない。働く人の賃金を上げれば蓄えができて豊かに生活できる。

◆末永友香梨さん=諸新

 改善が進んでいるとはとても思えないが、そもそも国民は既に年金制度に期待していない。老後資金が二千万円必要とする金融庁の報告書問題の一連の対応では、国に関わる仕事をしている人間がなんて初歩的なところでつまずいているのだろうと感じた。年金も問題だが、望んでいないNHKの受信料を払い続けさせることで市民生活を圧迫していることも問題。年金や受信料など国民生活の実態をもっとしっかり把握した上で、生活にかかる家計負担、国民負担全体について考えるべきだ。

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