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愛知

<主な候補の横顔>(上)

2019年7月6日

 二十一日に投開票される参院選の愛知選挙区(改選数四)に立候補した主な候補者の素顔を三回に分けて紹介する。

 =上から届け出順

◆街の弁護士、苦労聞く 安江伸夫さん(32)公明 新

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 創価大法科大学院を修了した二〇一三年に司法試験に合格。翌一四年、県弁護士会に登録した。「街の弁護士」として、高齢者や一人親家庭、中小企業経営者らの悩みや苦労に向き合ううち「困っている人を支えるための法律をつくる」政治家を志すようになった。「経験や問題意識を国政で生かしたい」と意気込む。

 名古屋市北区生まれ。小学生の時に知多市に移り住み、今も父母らと暮らす。介護支援専門員の兄と、障害児の放課後等デイサービス事業所に勤める妹がいる。出馬の意思を伝える際には絶句されたが「福祉の現場の声を届けて」と応援してくれた。「強い使命感が芽生えた」と振り返る。

 趣味はカラオケ。「似ている」と言われたこともある尾崎豊を熱唱する。最年少候補として若い世代に支持を広げようと、四種の会員制交流サイト(SNS)も駆使して選挙戦に挑む。

弁護士・党青年局次長・県副幹事長▽創価大法科大院▽知多市日長(自)

◆庶民目線にこだわり 橋本勉さん(65)諸派 新

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 政権交代した二〇〇九年衆院選で、岐阜2区に当時の民主党から立候補。比例復活で初当選し、一期務めた。国会議員の経験から今回、一番に掲げるのは議員の年収四百万円化だ。

 「グリーン車乗り放題で、給料以外に領収書のいらない文書交通滞在費が千二百万円。こんなおかしい世界で庶民の政治を語られては困る」。四百万円化すれば、世襲議員を一掃できると主張する。

 税理士として、富裕層が税逃れに使うタックスヘイブン(租税回避地)を「不公平税制の要」と指摘し、課税できる税制への改正を主張する。議員時代に消費税の増税に反対して離党し、減税日本に所属するなど税への思いは強い。

 今回は五月にできた政治団体「オリーブの木」からの出馬。「現政権は原発を輸出したり再稼働したり。金でゆがめられた政治をきれいにしたい」と語る。

オリーブの木党員(元)民主党幹事長補佐・証券会社員▽早大院中退(衆)1▽名古屋市中区正木

◆大学でも講義、理論派 大塚耕平さん(59)国民 現

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 日銀マンと政治家としての生活がともに十八年になった。政策通として知られ、毎月二回配信するメールマガジンは、国際情勢や経済政策などを専門的視点で分析。「自分はそう長いとは思っていないけど、受け取る人は文章が長いって言う」と苦笑する。早稲田大や藤田医科大などで客員教授も務める理論派だ。

 民主党政権時代、中部地方の航空宇宙産業を成長させた国家総合戦略特区に携わり、厚生労働副大臣として原発事故による放射能汚染情報の公開も徹底した。

 「今の政権は情報公開度が極端に低下している」と危機感を持ち、選挙では「正直、偏らない、現実的」を三本柱に掲げた。

 趣味のスキューバダイビングでは指導員資格を持ち、地元名古屋・覚王山の地名の由来を知って始めた仏教研究でも複数の著作がある。コンビニのスイーツで、ほっと息を抜く。

党代表代行(元)民進党代表・厚労副大臣・日本銀行員▽早大院▽名古屋市千種区稲舟通

◆被災者支援が転機に 須山初美さん(40)共産 新

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 幼いころから絵が得意で、大学卒業後は広告デザイナーとして働いた。連日、終電を逃すような長時間勤務に疑問を抱き、労働運動に参加。「誰も使い捨てられない、一人一人が大切にされる社会を実現したい」との思いが根底にある。

 東日本大震災と原発事故が人生の転機になった。ボランティアで被災地を回り暮らしの要望を聞いて行政に届けた。仮設住宅の風呂に、住民が切望した追いだき機能を付けることができた。「声を集め、届けることの大切さを実感した」。会社を辞めて共産党職員になり、政治家を志した。

 三年前の参院選で落選も経験したが「寄せられる期待、政権への怒りは大きくなっている」と感じる。座右の銘は、インド独立の父ガンジーの言葉で「善きことはカタツムリの速度で動く」。ゆっくりとでも、重ねた一歩一歩が報われる日は必ず来ると信じている。

党県常任委員・若者雇用対策部長(元)広告制作会社員▽愛知産大▽小牧市小牧

主な政党の公約

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