富山

県議選 どうなる投票率関心 新幹線に奪われ

2015年4月10日

富山県議選の投票率アップに向けて、「白ばら娘」が街中に出て有権者に呼び掛ける=県庁で

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氷見 12年ぶり選挙戦で高く

 十二日投開票の富山県議選は終盤に入り、各陣営の関心は投票率の行方に向き始めている。北陸新幹線開業後の県の将来を託す重要な選挙ながら、各陣営からは「新幹線に目を奪われている」と投票率の低下を懸念する声も。四年前の前回選は、戦後二番目に低い57・54%と伸び悩んだが、今回はいかに−。

 四日から始まった期日前投票では、七日までの四日間で前回の同時期より微増の二万四千九百十人が投票。選挙人名簿登録者数に占める割合は3・6%で、選挙戦が前回の九選挙区から八選挙区に減った中、出足は好調にうつる。

 期日前投票が特に順調なのは、前回投票率が62・87%だった滑川市選挙区。今回は、四日間で既に県内最高の6・1%が投票。だが、ある陣営関係者は「保守分裂の中傷合戦になっていて、市民の間で嫌気が差している」と、“有権者離れ”を危ぶむ。

 一方、市民の関心の高さがうかがわれるのが、定数二を三人で争う激戦の氷見市選挙区だ。期日前投票者数は四日間で5・3%の二千二百六十七人。投票会場では混乱を避けるため、案内役の職員を通常一人から二人に増員したほどだ。

 前回まで二回連続で無投票が続いただけに、職員は「県議選は十二年ぶりの選挙戦とあって関心が高いようだ」と理由を挙げる。自民の二陣営はそれぞれ「67%ぐらい」「七割弱では」と予想。対する社民現職の陣営は「昨年の氷見市議選の投票率(74・12%)が下地になる」と話す。

 だが、他選挙区では投票率低下を懸念する声が多い。前回初めて50%を割った富山市第一選挙区の現職陣営は「今回も50%を切るのでは」と予想。富山市第二選挙区の陣営からは「有権者の関心が北陸新幹線に奪われている」と寂しい声が聞こえてくる。実際に、同選挙区は七日までの期日前投票者数は県内で唯一、前回より少なく推移している。 

  (統一地方選取材班)