富山

一票の格差 富山1・65倍13選挙区最大値 過疎で拡大懸念

2015年4月3日

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 昨年十二月の衆院選で一票の価値に最大二・一三倍の格差があったことについて「違憲」や「違憲状態」の司法判断が相次ぎ是正が急がれる中、三日に告示される富山、石川両県議選の各選挙区の格差を調べると、富山で最大一・六五倍、石川で同二・〇一倍あることが分かった。過疎化などで格差が広がる可能性もあり、今後の区割りや定数見直し議論に影響しそうだ。

 両県とも三月二日現在の定時登録の選挙人名簿登録者(有権者)数と、現在の選挙区定数で計算。

 富山の十三選挙区(定数四〇)では、入善町と朝日町の下新川郡(定数二)を基準の一倍とすると、滑川市(定数一)が一・六五倍で最大。富山市第二(定数三)と小矢部市(定数一)の一・五八倍が続くが、県全体の平均は一・三五倍。すべての選挙区で、国政選挙の「一票の格差」訴訟では違憲判断の目安となる二倍を下回った。

 一方、下新川郡は一一年の前回選時に比べ登録者数が約千二百人減少。特に朝日町では、二〇一〇年時の人口を基準にすると、三十年後の四〇年には人口が半減する国の試算もあり、人口減少対策が喫緊の課題だ。

 県議会事務局の担当者は、現段階の変更は必要ないとした上で「国勢調査の結果を踏まえ、定数変更を考えないといけない時が来るかもしれない」と話した。

 石川は珠洲市を一倍とした場合、最大はかほく市の二・〇一倍となる。 (広田和也、田嶋豊)