富山

県議選かく戦う

2015年4月2日

 統一地方選前半戦の県議選は、四月三日の告示まで間近に迫った。北陸新幹線開業の陰に隠れ、投票率の低下が懸念されるものの、県内各党にとっては来夏に控える参院選に向けた大事な前哨戦。勢力拡大や議席死守を目指す各党に、選挙への意気込みや戦術を聞いた。(統一選取材班)

全員の当選を狙う

自民 中川勇・県連副幹事長

 自民党は県政与党として、主に福祉政策を推進するため、もちろん全員当選を目指す。

 地域力を高めることが重要だ。このため、地方創生に力を注ぐ。子育て支援も充実させ、働きやすい環境づくりにも重点を置いた政策を主張していく。

 選挙戦が続き、有権者の関心が薄れて、投票率は50%前後と低調気味になるのでは。選挙権の年齢問題もあり、若い世代の投票行動にも注目している。

議席の確保最優先

民主 高田一郎・県連代表

 政権を担っていた時代に失った信頼回復に向けて、公認二人、推薦一人の現職三人の議席確保が最優先課題。街宣カーや個人演説会の開催、電話戦術で票の掘り起こしを狙う。

 北陸新幹線開業後の街づくりは、重要な県政テーマの一つ。開業効果を中小企業の振興や雇用対策にどう生かせるかを訴える。

 来夏には参院選。攻めに転じられるよう、力を蓄える選挙戦にしなくてはいけない。

1議席死守に全力

公明 樋詰和子・県本部幹事長

 地方と国を結ぶため、党の現有の一議席を何としても死守する。全体の投票率は、低調だと思うが、富山1区は他よりも高い55%前後。とくに候補者の地元・呉羽地区は「草刈り場」のようになり、危機感が強い。

 県立高校の耐震化や県のドクターヘリ導入など、本人はこれまで実績を残してきた。

 地域の経済回復、子育て支援、高齢者サービスの充実を有権者に訴えていきたい。

野党結集うねりを

維新 柴田巧・県総支部長

 今回の県議選には維新の党として候補者の擁立ができないが、他党とともに、民主公認から無所属に転じた現職候補を推薦する。「議員が身を切り、住民に温かい県政の実現」「行政改革をして捻出した予算をより福祉や教育に充てていく」ことを中心に訴えていく。維新、民主、生活の推薦を受ける候補の当選をきっかけに、富山から野党結集のうねりをつくっていきたい。

4議席躍進目指す

共産 上田俊彦・県委員長

 国政の是非が問われる選挙となる。集団的自衛権の行使など、戦争する国づくりを絶対に許さないという声を地方から上げたい。

 今の政治を変えてほしいと思っている人が必ず投票に行くよう、呼び掛けたい。議会では福祉や暮らしに冷たい県予算に反対し、介護の充実や子ども医療費の無料化を訴え続けてきた。県民の生活を守るため、告示前の一議席から四議席への躍進を目指す。

3議席守り存在感

社民 柴義治・県連幹事長

 現在の県議会は、自民が議席を占有する異常事態。野党の存在感を出すためにも、三議席を死守しなくてはならない選挙戦だ。

 来年の参院選は、衆参同時選挙も考えられ、生き残りをかけた戦いとなる。この県議選で踏ん張って国政につなげる頑張りを見せないといけない。

 医療や子育てなど、生活面で格差が広がっている。この状態を正す地域に応じた政策を訴えていく。

推薦人の必勝期す

生活 広野ただし・県連代表

 民主党、維新の党と一緒に推薦する、民主公認から無所属に転じた現職候補の当選に全力を尽くす。推薦を決めたのは、候補は県議をやりながら仕事も行っており、県民の生活を第一に考えられる政治家だと思ったから。地方政治で党の色を明確に出すよりも、市民の生活にあった政策を訴えていくという。再選を果たし、県民生活を第一に考える政策を行ってもらいたい。