富山

直前情勢3

2015年3月30日

3回連続の無投票か

県議選魚津市

 自民現職の稗苗、高野がともに五選を目指して出馬を表明している。

 稗苗は農家や漁業者、高野は各地区の後援会や女性組織との勉強会などを重ねて支持基盤を固める。ほかに目立った立候補の動きはなく、二〇〇七、一一年に続き、三回連続の無投票となる公算が大きい。

自民2人に共産挑む

下新川郡

 有権者三万三千人がいる下新川郡では、定数二に対して三人が出馬を表明。自民現職二人に共産新人が挑む構図となった。十二年ぶりとなる見込みの選挙戦は、有権者の盛り上がりが気がかり。各陣営とも支持者回りや街頭演説での票の掘り起こしに躍起だ。

 七期目を目指す鹿熊は、地域を担う人材育成など人口減少対策を公約に掲げ、県政報告会を今月上旬に開催。現在は支持者回りを中心に支持固めに奔走する。地盤とする朝日町では元町長の脇が出馬表明したものの、鹿熊は「選挙区すべてをくまなく回っている。やり切るだけだ」と冷静に受け止める。

 上田は地元の入善町を中心に支援者へのあいさつ回りに注力。他陣営の動向を横目に「(支持固めが)初日で終わるか、投開票日まで続くかの違い。八年前も四年前もやることは変わらない」ときっぱり。人口減少対策として、首都圏からの人の流れをつくる企業誘致の必要性を中心に訴える。

 元朝日町長の脇は、共産の公認を得ての選挙戦。反自民票の獲得を狙い、集団的自衛権の行使阻止、政府の経済政策への批判を一日十回以上、街頭で訴える。手応えは「分からない」としながらも、「地元の朝日町同様に入善町でも聴衆が増えている。有権者の選挙への関心を高めていきたい」と意気込んでいる。

16年ぶり選挙戦確実

黒部市

 十六年ぶりの選挙戦が確実となり、自民現職二人に無所属新人が挑む形。久しぶりの戦いは票の流れが読みにくくなりそうで、五回目の当選を目指す現職二人は低調な選挙ムードを懸念。市内全域であいさつ回りを行いつつ、選挙ムードを高めようと懸命だ。大野は「無投票でも選挙戦でもやることは同じ」と淡々と語り、選挙準備に余念がない。

 横山は、北陸新幹線開業をいかに県の活力とするかを訴え、企業回りや支持者訪問、街頭活動などに力を入れる。

 出馬表明が三月半ばと遅かった西江は、改憲阻止と災害対策の必要性を掲げ、昨年の市長選で得た四千三百九十七票からの上積みを狙っている。(敬称略)

立候補が予想される顔ぶれ

■魚津市(二…2)

 稗苗清吉71 農業   自現<4>

 高野行雄67 県消防会長 自現<4>

■黒部市(二…3)

 大野久芳66 衣料小売業 自現<4>

 横山栄66 冷菓製造業 自現<4>

 西江嘉晃59 旅館経営 無新 

■下新川郡(二…3)

 鹿熊正一61 (元)県議長 自現<6>

 上田英俊50 社保労務士 自現<4>

 脇四計夫73 (元)朝日町長 共新 

 表の見方 氏名、年齢(開票日翌日現在)、代表的肩書、公認政党、新旧、当選回数の順