富山

直前情勢113人が大票田に挑む

2015年3月28日

 統一地方選前半戦となる県議選の告示(四月三日)まで、あと一週間に迫った。二十七日時点で、定数四〇に対し四十九人が立候補を予定しており、八選挙区で選挙戦となる見込みだ。今回は北陸新幹線開業の陰に隠れ、一層の「選挙離れ」も予想されるが、開業後の街づくりや人口減少対策などが争点となりそうだ。五回に分け、各選挙区の情勢に迫る。(統一地方選取材班)

県議選富山市第一

 県内最多となる二十六万人の有権者を抱える富山市第一。定数一一に現職十人、新人三人の計十三人が出馬を表明している。

 市西部は前回トップ当選の吉田のみ。人口減少、高齢化問題を課題として掲げ、地元の呉羽地区を重点的に回る。ただ、他陣営も攻め込んできている状況で「草刈り場になりそうだ」と地盤固めに必死。

 前回二位の中川は「今までと同じようにやるだけ」(陣営幹部)と、地元の山室中心に支持を訴える。坂野は、地元の新庄など市東部を中心に選挙戦を展開。「若い世代の票の掘り起こしが必要だ」と危機感を強める。

 前回三位の奥野は地元の南部で、四年間の教育と福祉分野での成果を実績に「県政がいかに生活に密着しているか訴えたい」と幅広い世代への浸透を図る。同じく南部が地盤の笠井は、民主公認から無所属に転じ、民主、維新、生活の推薦を得て戦う。「野党再編の土台」を目標にゲリラ的につじ立ちを行う。

 この四年間で約七万部の議会便りを配ったという杉本は、市北部の地盤固めに奔走。五十嵐は地元の駅北だけでなく、自民候補がいない呉羽地区まで範囲を広げて支持者回りに注力。火爪は憲法や原発問題などを訴えの柱にし、四選を目指す。

 二〇一二年補選から初めての本選に挑む平木は、若い支援者の協力を得て、各地の二十〜四十代といった層への食い込みも目指す。同じ補選組の浅岡も、市中心部の地元と呉羽や五福など西部でも地域や企業へのあいさつ回りを重ねる。

 市議から転身した岡崎は、出身の自治労や労組の組織票固めに余念がない。党市議の後援会にも支援を求める。一二年補選以来の出馬となる山本は、地元の水橋に加え呉羽などの空白区も重点的に回り、県民の生活安定を訴えていく。一九九一年県議選に立候補した広上も「介護現場の声を県政に反映させる」と市街地を自転車で回り、支持拡大を図る。 (敬称略)

立候補が予想される顔ぶれ

■富山市第1(一一…13)

 杉本正66 (元)県議長 自現<5>

 坂野裕一51 党県役員 民現<4>

 中川忠昭65 土改理事長 自現<4>

 五十嵐務63 (元)広告業 自現<3>

 火爪弘子59 党県役員 共現<3>

 笠井和広53 飲食店経営 無現<1>

 吉田勉64 党県代表 公現<1>

 奥野詠子34 党県役員 自現<1>

 浅岡弘彦51 接骨院長 自現<1>

 平木柳太郎30 教育会社長 自現<1>

 岡崎信也54 (元)富山市議 社新

 山本久男68 (元)高校教諭 無新

 広上俊雄62 福祉業  無新

 表の見方 氏名、年齢、代表的肩書、公認政党、新旧、当選回数の順