富山

県議会閉会 選挙へ再会誓い早速地元入り

2015年3月17日

県議会閉会後、退席する県議=議場で

写真

 さあ選挙−。今任期中最後の県議会二月定例会が十六日に閉会し、立候補を予定する現職県議らは四月三日告示の県議選に向けて走りだした。議場では再会を誓い合い、当選に向けて早速、地元へ戻った。 (広田和也)

 「再び県民の信託を受けて、この議場で相まみえることを心から念願する」。現職の全四十人が集まった本会議の最後で、高平公嗣議長がこう締めくくった。県議らは閉会後、県庁舎前で石井隆一知事ら県執行部と記念撮影。ある会派は、議会前に議員総会などを開き、健闘を誓った。

 選挙戦に臨む現職三十六人に対し、引退を決めた議員は四人。最後の議会で登壇し、思い出を語ったり、再選を目指す現職らにエールを送ったりした。

 六期の坂田光文氏(自民、富山市第二)は周囲の支援に感謝し、「先人のたゆまぬ技術と努力を生かし、日本一素晴らしい県になるようまい進してほしい」と訴えた。

 同じく六期の酒井真次氏(無所属、中新川郡)は北陸新幹線開業を挙げて、「この“きときと”な新幹線を生かして、富山の百年の大計を新たな発想で構築し、そのための盛んな議論を期待したい」と呼び掛けた。

 三期の井村昭彦氏(自民、高岡市)からは、商工労働部内にあった観光課が、観光立県を目指すために観光・地域振興局として独立したことに「議員として携われたことをあらためてかみしめている」との言葉。同じく三期の田尻繁氏(社民、富山市第一)も新幹線開業に触れ、「開業効果を末永く発展させる任務がある」と、再選を目指す現職県議らにハッパを掛けた。

新年度予算案など可決

 県議会二月定例会は十六日、本会議を再開し、地方創生を目指す施策を多く盛り込んだ一般会計総額約五千六百六億円の二〇一五年度予算案など九十一件を可決し、閉会した。

 意見書は十三件が提出され、七件を可決。このうち、安倍晋三首相が発表する戦後七十年談話に関し、慰安婦問題で朝日新聞が一部報道を取り消したことを受け「日本は多くの国益を失うとともに、国民の尊厳は不当におとしめられ続けている」として政府に適切な対応を求める意見書は、提出した自民と、公明による賛成多数で可決した。社民、共産が提出した集団的自衛権行使を容認した閣議決定の撤回を求める意見書など六件は否決した。

 四月に法人化される県立大の関係条例整備に関する条例案のほか、新たな教育長に渋谷克人観光・地域振興局長(57)、教育委員に山崎弘一教育次長(59)を充てる案を可決した。 (広田和也)

慰安婦問題意見書

可決に9団体抗議

 県議会二月定例会で可決された、慰安婦問題に関して政府に適切な対応を求める意見書について、県内の九団体は十六日、抗議声明を発表した。

 九団体は、県平和運動センターや新日本婦人の会県本部など。声明では、こうした意見書可決が「『戦争する国』づくりへ、集団的自衛権行使のための安保法制化をすすめる動きと一体のもの」と指摘。被害者への謝罪や補償、歴史教育で同じ過ちを繰り返さないようにすることなどを求めた。

  (広田和也)