滋賀

何を基準に投票? 有権者に聞く

2015年4月11日

 12日の投開票が迫る県議選は、無投票だった選挙区を除き県内各地で立候補者の声が響く。一票を求める候補者に対し、有権者は何を望み、何を基準に投票するのか。各所で職業や年齢の異なる6人に尋ねた。

◆視野の広い人に期待

 彦根市の大学生町口久貴さん(21) 国民の一人として投票には行くべきだと思うが、4年生の今は卒業論文や就職活動を優先しがち。投票するなら公約を見て決めたいので、無責任な投票は避けることにした。友達の間で選挙について話す機会がない。電車通学でもないため駅での街頭演説も聞こえず、今回は、選挙カーが通って初めて選挙があると知ったくらい。いろんな立場の意見を理解できる、視野の広い候補者に期待したい。

◆農協改革の推進望む

 大津市の農業上坂政二さん(66) 会社員を定年後、棚田でコメを作っている。中山間地農業への補助はありがたいが、それよりも農協改革を進めてほしい。現状では作ったコメを直接消費者に売る方が農家にとっては良い。農協に出すと直接売るのに比べて半分以下の値段になるので、売り方を考えている。本来は農協が努力しなければいけない仕事。福井県の原発で事故があれば棚田は全滅する。国や県は足を引っ張らないでほしい。

◆景気対策を重視する

 草津市の喫茶飲食店主吉田信幸さん(69) 県喫茶飲食業生活衛生同業組合の理事長を務めており、重視するのは景気対策だ。消費税が8%に上がったのは影響が大きく、店を閉める同業者がいくつもあった。今後10%に上がるとなるとさらに心配。経済に明るい人を求めたい。草津に関していえば、自転車の盗難が多いなど防犯面の課題がある。安心安全で、人が訪れたくなるような、魅力あるまちづくりに励んでもらいたい。

◆女性の働く環境整備

 彦根市の会社役員前田賢一さん(45) 事務職の4分の1が女性という、女性が頼りの会社で働いている。身近に家族がいない場合、社会的な支援は必須。託児施設の充実や待機児童の解消といった、女性が働きやすい社会づくりを進めてほしい。最近、電気代が上がって工場の収支を圧迫している。エネルギー系のインフラ整備を望む。原発なのか自然エネルギーなのか、長期にわたる計画ができるように姿勢を明確にしてほしい。

◆希望がもてる政策を

 東近江市の無職野村●一さん(78) 長期的な視点で県の課題に取り組む人に投票したい。交通の地理的条件や産業、観光などは他県に比べて恵まれているのに生かされていない。「未来にどう生かすか」の視点で力を発揮してもらい、トップクラスの県に引き上げてほしい。少子高齢化には、目先の対策ではなく、若者の人材育成や国際化に対応できるよう教育を充実させてほしい。青少年が未来に希望をもてる政策を望む。

◆脱原発主張する人に

 大津市の主婦樋口恵美さん(40) 原発再稼働反対を主張する候補者を支持する。原発は隣県にあるが、原子力災害があったときの被害はひとごとではない。放射能が心配で外に出られなくなるし、琵琶湖や田畑が汚染されてしまった場合、子どもの食事も気掛かり。また、子どもが遊べる自然豊かな場所が少なく、希望する保育所に入れないという話も聞くので今後が不安。子どもの居場所作りを考えてくれる候補者に当選してほしい。

 (統一選取材班)

 (注)●は、うかんむりに赤