滋賀

<定数減を追う>(3)地盤、攻めるか守るか

2015年4月6日

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◇東近江市・日野町・愛荘町(五…8)

松本利寛63 (元)党地区役員 共新

加藤誠一61 (元)県職員  無新=自

小寺裕雄54 貸店舗業  自現<2>

坂口明徳37 (元)議員秘書 民新=社し

村島茂男54 広告制作業 自新

本田秀樹48 (元)町議長  無新=自

井阪尚司61 (元)小学校長 無現<1>=民し

木沢成人42 (元)会社員  無現<2>

 琵琶湖畔から三重県境までという東近江市選挙区に区割り変更で日野町・愛荘町が加わった。選挙サンデーの五日は各陣営とも選挙カーを走らせたりイベントに顔を出したり。なじみの地盤を固めるか足を伸ばすか、対応は陣営によって分かれた。

 新人加藤さんの陣営幹部が言った。「攻めはあかん。守るんだ」。力点は出身地の東近江市能登川、五個荘両地域。ここから十三期連続で県議を出しており「足場を固めれば」との計算がある。五日の加藤さんは旧能登川町域の公民館で行政経験をアピールした。

 愛荘町議三期の新人本田さんは旧郡域を重視する。地元に加え、旧愛知郡の愛東、湖東両地区が活動範囲。今回の区割り変更で愛知郡選挙区は消滅しており「愛知郡代表という意識。旧愛知郡の火を消したらあかん」と語気を強めた。

 消滅した蒲生郡選挙区の日野町を地盤とする二人も郡重視という点で重なる。現職井阪さんは旧蒲生郡蒲生町で教員を務めた経験があり、浸透に意欲的。再生可能エネルギー普及促進や医療・福祉施策推進など議員としての活動もPRする。新人村島さんは活動範囲を地盤の日野町西部から旧蒲生町にまで広げ、三十人規模の演説会を小まめに開催。「地方創生は日野のような周辺部こそ必要」と力説した。

地域の祭りに駆けつけて握手する候補者=東近江市内で

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 東近江市でトップ当選した前回から一転、大票田を狙われる立場となった現職小寺さん。他陣営の進攻を警戒し、まずは市内の足場固めに奔走する。防戦の盾となるのが自民県連政調会長としての経験だ。五日は地元の商業施設前で「東近江を活性化する」と訴えた。

 東近江市議から県議を目指す新人坂口さんは労働組合の支援をてこに民主色を鮮明にし、「いかに反自民票を取り込むか。戦いにくさはない」ときっぱり。前愛荘町長村西俊雄氏の支援を受け愛荘町でも浸透を図る。

 選挙区の拡大に活路を見いだすのは新人松本さんと現職木沢さん。松本さんの共産は合区前の東近江市、蒲生郡、愛知郡いずれからも擁立できなかったが、党支持層の結集により議席も見えてきた。「新しい出会いがあるし、やりがいを感じる」という木沢さんは蒲生医療センターを在宅医療のモデル拠点とするなど県側に提案し新施策にもつなげてきた。五日もこうした実績を訴えながら選挙区を広く巡った。

 定数減と選挙区拡大で当選ラインはどう変わるのか。各陣営とも緻密に計算しながら、残りの選挙期間を駆け抜ける。

 (井上靖史、杉浦正至)