滋賀

<委ねる統一選>(共産、公明)議席の確保に心血

2015年4月2日

駅利用客らに政策を訴える共産党員=JR大津京駅前で

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 一日朝のJR大津京駅前で、共産の立候補予定者が声を張り上げた。「高浜原発再稼働の動きが強まる中で、再稼働反対、動かさずに廃炉を求める議席がない」。

 議席奪還は共産の悲願。四年前の県議選では六人が立候補したが全員落選。三つあった議席はゼロになった。奥谷和美県委員長は議席を失った結果、諸課題の請願が県議会で議論されなくなったと指摘。「県民の声を聞き入れない議会になっている」と言う。

 前回選挙は「ゆるみがあった」と振り返り、県内に四万人程度いるという党員、後援会員へのアピールに加え、街頭演説や集会などにも注力。保守層や無党派層からの得票にも期待する。五日には志位和夫委員長が来県し、“空中戦”で支持拡大を狙う。

 告示後は原子力政策のほか、集団的自衛権の行使容認の是非や、経済政策を中心に論戦を挑む。「共産の議席があってこそ、県民の願いが届く」。大津市や草津市など五選挙区に六人を公認。代表質問ができる五議席獲得が目標だ。

 一方「二議席を何とか死守したい」と話すのは公明県本部の梅村正代表。自身の後継も含め、大津市選挙区に二人を公認した。「(団塊世代が七十五歳以上になる)二〇二五年問題などもあり、今回は大事な選挙。現場の声を県政に反映して安心できる社会にしないといけない」と力を込める。

 公明は前回選挙でも大津市選挙区に二人を公認し、計一万六千六百四十票を得た。支持母体の創価学会滋賀文化会館の担当者は今回も「全力で公認候補を応援している」と強調する。

 ただ不確定要素もある。前回は十六人が立候補した同選挙区の立候補予定者は一日現在十三人にとどまる。当選ラインが上がるのは確実とみられ、梅村代表も「新たに支持を拡大できるかが大事」。主要駅での駅立ちや集会なども従来以上に力を入れる考えだ。

 会派はこれまで、野洲養護学校でたん吸引など医療的ケアが必要な児童らの送迎実証研究を開始するのに尽力。選挙戦でもこうした実績を掲げながら、選挙の意義や擁立した二人の重要性を丁寧に説明するつもりだ。

 県議選などでは従来、自民との選挙協力はしておらず、今回も大津市選挙区以外では自主投票としている。

 (山内晴信)