石川

市議選直前情勢

2015年4月18日

 統一地方選後半戦の野々市市長選と金沢など五市議選が十九日、川北町長選と川北など五町議選が二十一日にそれぞれ告示される。このうち十の市町議選の直前情勢を二回に分けて紹介する。

泡沫不在の激戦に

金沢市(定数38)

 定数は四〇から二減の三八に。現職三十六人、元職二人、新人五人の計四十三人が出馬を予定する。市選管によると、四十三人だと過去最少で、落選者五人の激戦となる。新人五人はそれぞれ地盤や支援組織などを持っており、極端に支持が少ない「泡沫(ほうまつ)候補」がいない戦いとなりそうだ。

 競輪場外車券場売り場問題をめぐり、反市長派議員は一時、山野之義市長を厳しく追及したが、山野氏が出直し市長選で圧勝したせいか、対決姿勢を鮮明にするのは共産のみ。市議選後も共産を除く「オール与党」の状況は変わらない見通しだが、会派間の連携による主導権争いに影響する当落結果が注目される。

 会派別では、最大会派の自民が現職十三人と推薦する新人一人に加え、選挙後は無所属新人らを取り込む可能性があり、どこまで勢力を伸ばすかが焦点。他に議席増を目指すのは共産で一つ多い四議席を目指す。 (清水俊介)

定数2減に6新人

小松市(定数22)

 定数二二に二十八人が立候補を予定。定数は前回より二つ減る。一方、立候補予定者は前回より二人多い見通しで激戦となりそう。現職は一川政之さんが県議に転身し、飛弾共栄さんが引退を表明したため、二十二人が出馬予定。新人は三十代前半から六十代後半までの六人が出馬を予定している。今江町や安宅町など地元が現職と同じ候補もいて地域内の争いも激化しそうだ。定数が減ることで、当選ラインが上がる可能性がある。 (浜崎陽介)

引退議員票がカギ

輪島市(定数17)

 定数は三減の一七となる。現職二十人のうち、中谷達行議長と最大会派「拓政会」の田中秀男代表が引退の意向。新人は一人が出馬予定で、二人オーバーの少数激戦となる見通し。引退議員を支持してきた人の票の行方も当落を左右しそうだ。

 四年前は県議選で保守系が分裂し、直後の市議選の得票に影響を与えたとみる現職が複数いる。今回は昨年三月の市長選、先の県議選ともに無投票。そのため「手応えがつかみにくい」という候補予定者も多い。 (松瀬晴行)

無投票予想も一転

珠洲市(定数14)

 定数一四(欠員一)の現職十三人のうち、三月定例会で引退を表明した一人を除く十二人と、元職一人が出馬を決めたのに対し、新人がなかなか決まらず一時は無投票もうわさされた。しかし、告示日が迫ってくると情勢は一転。新人三人が次々と名乗りを上げた。

 この結果、立候補予定者は泉谷満寿裕市長を支える最大会派「政友会」に所属する九人と無会派三人の現職十二人、元職一人、新人三人の計十六人となり、二人オーバーの少数激戦となる公算が大きい。

  (近江士郎)

8年ぶり選挙戦か

野々市市(定数15)

 市に移行後、初の市議選。定数は一減の一五となる。現職十一人、新人五人の計十六人が事前審査を済ませ、野々市町時代の二〇〇七年の町議選以来八年ぶりに選挙戦になる見込み。

 新人のうち三人は引退する現職の後継で地域代表色が強い。ほかは一人は現職不在の地域からの立候補、もう一人は地盤を持たない三十代が出馬する見通し。この他、立候補予定者説明会に出席した新人二陣営は擁立を見送った。

  (谷知佳)