石川

県議選 どうなる投票率若者へ電子チラシ

2015年4月10日

県選管 啓発あの手この手

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 石川県議選の投開票が十二日に迫り、七選挙区で舌戦が続くが、投票率の行方が心配されている。北陸新幹線金沢開業の盛り上がりに加え、戦後最多の八選挙区で無投票となるなど、低調ムードも漂う。県議選の県内投票率は五回連続で過去最低を更新。県選管は何とか歯止めをかけようと、あの手この手を尽くすが−。

 県選管によると、戦後しばらくは80%超の高い水準だったが、一九八三(昭和五十八)年の77・50%から七回連続で低下。前回は56・72%まで落ち込み、過去最低を更新した。

 四日から始まった期日前投票は、前回十二選挙区より五選挙区少ないものの投票総数は前回を上回るペース。ただ、国政選挙や知事選などを通じて期日前投票が浸透し、利用割合は毎回増え、現在では三人に一人が利用する計算。従来なら投票日に投票していた人が期日前投票に回ったケースも多く、最終的に投票率がアップするとは一概に言えない。

 若手の政治離れも指摘されるように、特に投票率が低いのは二十、三十代だ。前回県議選の年齢別投票率を見ると、二十〜二十四歳が31・64%で最も低く、二十五〜二十九歳が35・79%、三十〜三十四歳が46・30%、三十五〜三十九歳が51・83%と年齢とともに上がる。

投票率アップへスマートフォンやパソコンに投票日などを配信する電子チラシサイト=石川県庁で

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 県選管は今回新たに、電子チラシサイト「shufoo!(シュフー)」を活用し、スマートフォンやパソコン利用者向けに選挙啓発の電子チラシを配布。県内有権者の二万人が登録しており、若者や子育て世代の投票率向上を目指す。この他、県立大(野々市市)の食堂で紙製ランチョンマットで投票日などを周知したり、無投票で不要になった啓発グッズを活用し、急きょ十一日の石川ミリオンスターズの試合会場で配る予定だ。

 ただ、毎回どの選挙でも投票率が高い能登地方が毎回県平均を“底上げ”していただけに、今回の無投票の多さが影響する可能性も。投票率は候補の顔触れや天気にも左右される側面があり、県選管担当者は「限られた予算やモノを有効活用し最後まで呼び掛けていく」と話す。 (田嶋豊)