石川

激戦区ルポ(1)河北郡 3者入り乱れ火花

2015年4月7日

出陣式に集まった支持者と握手する西尾雄次さん=内灘町大根布で

写真

演説を聞きに来た有権者と握手する焼田宏明さん=津幡町能瀬で

写真

出陣式を終え支持者らと握手する米田昭夫さん=内灘町大根布で

写真

 津幡、内灘両町の河北郡選挙区(定数二)は、いずれも現職の米田昭夫(70)、焼田宏明(57)両候補の自民の牙城に、無所属新人の西尾雄次候補(66)が挑む。内灘町が地盤の米田さんと西尾さんが、有権者の多い津幡町に攻勢。同町拠点の焼田さんも内灘へ浸透を図るなど、三者入り乱れた激戦となっている。

 「公共事業優先でなく、人を大切にする社会をつくりたい」。告示日の三日、西尾さんは内灘町での出陣式で決意表明し、支持者から大きな拍手を浴びた。子育て支援や教育など「人への投資」は、道路整備の実績を強調する同町の対立候補との違いを鮮明にする。

 有志でつくる勝手連や推薦を受ける連合石川に支えられ、両町を回る。連日十カ所以上で街頭演説をこなしており、地盤にこだわらずに反自民の受け皿を目指す。三日の事務所開きでは「自民二人の当選は現政権に白紙委任状を渡すのと一緒」と、訴えかけを強める方針を確認した。

 「県森林公園活性化、大河ドラマ誘致など町と県のパイプ役に徹していきたい。どうか再び県政の場に」。五日夜、津幡町で開かれたミニ集会で、焼田さんは力を込めた。支える矢田富郎町長も、“内灘勢”の攻勢に触れ「津幡町の代表選手は焼田さんだけ」と繰り返し訴えかけた。

 焼田陣営は前回一万票超を獲得した地元固めを重視。津幡を中心に「つじ立ち」や集会を繰り返す。幹部は「他の町に一票たりとも出させない」。五日夜の集会で焼田さんは「内灘から火の粉が飛んできている」と危機感を示した上で、支持を求め深く頭を下げた。

 「北陸新幹線の開業効果を波及させ、地域を元気にしたい」。四選を目指す米田さんは演説でこう声をからした。内灘町で四日から徒歩による夜間遊説をスタート。地元の支持を固める一方、津幡町にも連日入る。

 陣営は「実績」という三期の強みを前面に出す。すでに両町で実現した事業を紹介する小冊子を配布。四日、津幡町でのつじ立ちで、支援する津幡町議は「米田さんが最適の人材であることは実績が物語っている」と声を張り上げた。陣営幹部も「夢は見るだけでなく、語るだけでもなく、米田の勝利で実現する」と強調した。 (高橋淳)

    ◇

 県議選(十二日投開票)は、無投票当選が決まった八選挙区を除き、七選挙区の三十二議席をめぐり四十六候補が争う。現職、元職、新人が入り乱れる大混戦もあれば、定数一超の少数激戦も。激戦区を中心に、戦いの構図や候補らの主張などを紹介する。

 河北郡(二…3)

 西尾雄次66 (元)町教育長 無新

 焼田宏明57 (元)会社部長 自現<1> 

 米田昭夫70 県副議長 自現<3>

 (届け出順)