石川

一票の格差 石川2・01倍15選挙区最大値 過疎で拡大懸念

2015年4月3日

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 昨年十二月の衆院選で一票の価値に最大二・一三倍の格差があったことについて「違憲」や「違憲状態」の司法判断が相次ぎ是正が急がれる中、三日に告示される石川、富山両県議選の各選挙区の格差を調べると、石川で最大二・〇一倍、富山で一・六五倍の格差があることが分かった。過疎の拡大でさらに格差が広がる恐れもあり、今後の区割りや定数見直しの議論に影響しそうだ。

 両県とも三月二日現在の定時登録の選挙人名簿登録者(有権者)数と、現在の選挙区定数で計算。

 石川は定数一(議員一人)当たりの登録者数が最少の珠洲市を一とした場合、最大はかほく市の二・〇一倍。人口減が進む珠洲市の一票は、かほく市のほぼ倍の重みがあることになる。次いで河北郡(津幡町、内灘町)が一・八三倍、輪島市一・七九倍、鳳珠郡(穴水町、能登町)一・七八倍と続いた。富山は最少の下新川郡(入善町、朝日町)を一とすると、最大は滑川市の一・六五倍だった。

 石川県議会は、都市部と過疎地の人口増減などを踏まえ、二〇〇八年に定数や区割りを見直す議員だけの懇談会を設置し、前回一一年から定数を三減の四三にし区割りも変えた。

 しかし、県選管担当者は「定数と区割りはセットで考える問題だが、珠洲市の有権者の減るスピードが速い。一人区同士で格差が目に見えて大きく出てしまう」と頭を抱える。 (田嶋豊)