石川

県議選直前情勢9

2015年3月27日

2人引退 激戦必至

小松市選挙区(定数4)

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 小松市選挙区(定数四)は現職二人に加え、元職一人、新人三人の合わせて六人が出馬表明し激戦が予想される。県議長を務めた自民党の重鎮二人に、同党推薦新人の女性と若手男性、市長経験のある無所属の元職、県内唯一の民主党公認新人の元市議と多彩な顔ぶれ。引退するベテラン二人の支持層の動向も含め、混戦模様だ。

 六期の山根靖則氏(72)=河田町=と、五期の北村繁盛氏(73)=今江町=が引退表明し、長らく強固だった非自民の二議席が空く。山根氏は民主新人の一川政之氏(41)=西軽海町=の支持を表明したが、各一万票前後を集めた両氏の支持層がどの候補の支援に回るか焦点。特定の候補予定者を中傷するような怪文書が早くも飛び交い、乱戦を予感させる。

 九期で自民県連の要職も歴任した福村章氏(76)=土居原町=は谷本正憲知事との強力なパイプで県政への影響力を誇示し、和田慎司市長との関係も深い。市中心部が地盤で、企業の支持も多いが「油断大敵。新人のような気持ちでやっている」。各地で県政報告会を開き精力的に回る。

 六期目を目指す藤井義弘氏(71)=大領中町=は当選五回のうち四回トップ当選。県議長も務め、地元向本折校下を地盤に市北部などにも浸透。森喜朗元首相の信頼も厚く、市文化協会長や県カヌー協会長など幅広い役職を持ち各種団体の支持も得る。各地で集会を開き支持を固める。

 市長退職後に県議を一期務めた北栄一郎氏(67)=白山町=は、旧自治省(現総務省)の官僚時代に培った人脈を強調し、市の改革に意欲を示す。公認や推薦を受けない唯一の候補として、幅広く支持を集めたい考え。金沢市の山野之義市長と旧知の関係といい、金沢と連携したい考えだ。

 自民推薦新人の南(旧姓八田)知子氏(52)=安宅町=は、安宅郵便局長を十七年半務めた。選挙区初の女性候補といい、地域の期待も受け出馬を決意した。子育てや介護、教育に関心が高く「女性ならではの感性で訴えたい」と話す。女性や高齢者、若い世代へのアピールを狙う。

 同じ自民推薦新人の木村賢治氏(31)=若杉町=はハワイ大卒業後、ハワイ州議会職員として二年働き英語が堪能。帰国後、下村博文文部科学相秘書を約二年務め教育にも意欲を示す。「若い県議が必要。若い力で盛り上げないと南加賀は取り残される」と危機感。街頭でも支援を呼び掛ける。

 一川氏は一川保夫元防衛相(73)の次男。連合石川が推薦する民主公認候補として市議の経験を生かしたい考え。二月の後援会事務所開きで和田市長もエール。中山間地などを回り支持を求める。自民が四議席を狙うだけに「きちんと対峙(たいじ)する。責任がある」と決意は固い。

 市選管によると、前回投票率は62・29%で過去最低。激戦必至の今回は投票率アップの期待も高まる。 (浜崎陽介)

 【立候補予定者】

 福村 章 (76)自現(9)

 藤井義弘 (71)自現(5)

 北栄一郎 (67)無元(1)

 八田知子 (52)(自)新

 一川政之 (41)民新

 木村賢治 (31)(自)新

 (氏名、年齢、自→自民党公認、無→無所属、民→民主党公認、(自)→自民党推薦、現→現職、元→元職、新→新人、丸数字は当選回数。現職、元職、新人の順。現職は期数順、新人は年齢順、敬称略)