石川

県議選直前情勢6

2015年3月24日

課題山積 協調探る

珠洲市選挙区(定数1)

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 珠洲市選挙区(定数一)は、二期目を目指す自民党現職の平蔵豊志氏(38)=宝立町鵜島=の他に出馬の動きはみられず、無投票の可能性が高い。

 平蔵氏は二月から、市議会最大会派「政友会」の市議らの同行で市内のあいさつ回りに励む。三月中旬までに半分以上回り終えたといい、平蔵氏は「(あいさつ回りは)油断大敵との思いとともに、市民の声を直接聞いて県政の場へ届けるための機会とも考えている」と力を込める。

 平蔵氏は前回、市議から無所属で出馬。現職だった塚崎康彦氏を破り、初当選を果たした。塚崎氏は前々回、泉谷満寿裕市長らが擁立し無投票当選。しかし、泉谷市長は「(塚崎氏とは)連携を図ることが難しかった」とたもとを分かち、前回は平蔵氏の全面支援に転じた。市長は「二人三脚で連携が図れ、県の事業も進んできた」と、平蔵氏との四年間を肯定する。二人の関係は盤石だという。

 こうした関係を前に塚崎氏を支援した中秀一元市議は「今回は動くことはない」ときっぱり。その上で、無風について「珠洲だけでなく、地方全体の政治が活力を失っている気がする。よしやろうという若い人がいない。結局行き着くところは少子高齢化だ」と人材不足を要因に挙げる。

 かつて原発誘致をめぐり、推進派と反対派が市を二分する激しい対立があった珠洲市。反原発派で六期二十四年務め、三月定例会で引退表明した市議会の重鎮、新谷栄作氏が言うように「原発計画がなくなった今、珠洲の将来を考えれば過去を引きずっている場合ではない」との声が支配的だ。

 「少子高齢化や地域経済の冷え込み」など山積課題への対策は待ったなし。新谷氏も「足を引っ張るより、協調し支えていこうという思いがあるのでは」とみる。

 県とのパイプを期待される平蔵氏。「市長や市議会、各種団体と県とのパイプ役としてよく頑張っている」との評価もあり、対抗勢力を呼び込む要因が少ない現状も無風につながっているようだ。 (近江士郎)

【立候補予定者】

平蔵豊志(38) 自現(1)

(氏名、年齢、自→自民党公認、現→現職、丸数字は当選回数、敬称略)