石川

県議選直前情勢4

2015年3月21日

前回乱立から一転

能美市能美郡選挙区(定数2)

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 能美市能美郡選挙区(定数二)はいずれも自民現職の井出敏朗氏(52)=寺井町=と、善田善彦氏(50)=岩内町=が二期目を目指し出馬予定。民主党は自民一強の中で候補擁立を断念。共産党は「調整中」とするが告示まで約二週間となり焦りを隠せない。四人乱立の前回から一転、無投票の公算が大きくなっている。

 井出氏は昨年十月、善田氏は同十一月に出馬表明し、ともに三月上旬に市内に事務所を開いた。現時点で他に出馬表明はなく、陣営幹部は集まった支援者に「油断せず、他候補が決して出られないような状況をつくることが大事だ」などと引き締めを図った。二氏は「告示まで構図は分からない」と地元町会や企業、催しに細かく足を運ぶなど支持固めに力を注ぐ。

 前回、民主公認で戦った元職の沢田貞氏(62)は「自身や女性候補の擁立の可能性を探ったが、いずれも環境が整わなかった」と今回は見送る判断。背景として「自民の一強支配が強まった」ことを挙げる。

 この四年間で能美市からはいずれも自民の佐々木紀衆院議員(40)、宮本周司参院議員(43)が相次ぎ誕生。「環境は随分変わった。反自民の方から出馬を促す声もあったが、勝つことにこだわれば六、七千(票)では難しい」と明かす。

 一方、共産は市議二人を含め候補選定を進めるが、党加南地区の西村祐士委員長(60)は「議論がまとまらず難しい状況」と話す。「自共対決という限り最後まで可能性は探る。ただ、遅くなれば浸透も難しくなり、早くまとめたい」と気をもむ。

 無風の様相に、表向きは「油断大敵」を口にしつつも、市議の一人は「現職の二人は昨年から県政報告会を細かく開き、丁寧に要望を聞くなど精力的に活動してきた。選挙まで一カ月を切った今、他候補が出る隙は無い」と自信をのぞかせる。

 ただ、有権者の中には無風を残念がる声も。同市の六十代主婦は「選挙が無ければ現職二人の得票数は出ない。四年間の評価が形として見られないのは残念だ」と話した。 (世古紘子)

【立候補予定者】

井出敏朗(52) 自現(1)

善田善彦(50) 自現(1)

(氏名、年齢、自→自民党公認、現→現職、新→新人、丸数字は当選回数、年齢順、敬称略)