石川

県議選直前情勢3

2015年3月20日

河北郡選挙区(定数2)

攻防 地盤を越える

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 津幡、内灘両町の河北郡選挙区(定数二)は、いずれも自民党現職の米田昭夫(70)=三期、内灘町鶴ケ丘五、焼田宏明(57)=一期、津幡町庄=両氏のほか、元内灘町教育長で無所属新人の西尾雄次氏(66)=内灘町大根布七=が出馬表明している。米田、西尾両氏が地盤とする内灘を中心に、焼田氏の津幡を巻き込んだ激戦となりそうだ。

 同選挙区が選挙戦になれば、現在の区割りになって以降、補選を除き三回連続となる。

 初挑戦する西尾氏は、昨年十月に出馬表明し知名度アップを図る。「草の根」を掲げており、両町民有志による組織「サポーターズ」が活動を支える。役員は「とにかく人と会っている」と浸透を図る。

 地縁のある内灘に限らず、津幡でも精力的に活動。新興住宅地などを回り、中心街で声を上げる。県議会に新風を吹かせることや、教育、子育て支援といったソフト事業の充実を訴える。

 三期で県議会副議長も務めた米田氏相手に、支援者の一人は「アリがゾウに挑むようなもの」と冗談交じりに話すが、「会ってもらえれば人を引きつけられる」と人柄に自信を見せる。

 一方、米田氏は県技監を経て内灘町助役も経験した人脈などを生かした実行力を前面に。国が掲げる「地方創生」の下で、国や県と町をつないできた自身の役割が重要性を増すと強調する。三月下旬からは小まめに県政報告会を開く。

 内灘町では川口克則町長や大半の町議、区長らから全面支援を受け町内を一巡したが、津幡へのアピールにも心を砕く。自己紹介する小冊子は、内灘版と津幡版を初めて作製。実現した道路整備などのハード事業を別々に列記した。

 ある支援者は「津幡でも『静かに深く』やっている」。津幡を地盤とする同党の焼田氏に配慮しながらも、攻め込まざるを得ない状況を明かす。

 その焼田氏は、西尾、米田両氏の津幡町への“攻勢”に、危機感を募らせる。矢田富郎町長や多くの町議らとタッグを組んでおり、最優先に進めているのは「足元固め」(後援会役員)だ。

 町民と丁寧にやりとりを重ねることを基本に、矢田町長らとともに企業も回った。各地区で今後開かれる「励ます会」に顔を出し、無我夢中でやってきたという一期目の実績や「ふるさと発展」への思いを訴える。

 四年前は米田氏を大きく上回る一万票超を獲得して初当選したが、支援者からは上積みを求める声が大きい。焼田氏は「内灘に足を運ぶことも考えないと」。三陣営とも互いの地盤を越えた激しい攻防に身構えている。 (高橋淳)

 【立候補予定者】

 米田昭夫(70) 自現(3)

 焼田宏明(57) 自現(1)

 西尾雄次(66) 無新

 (氏名、年齢、自→自民党公認、無→無所属、現→現職、新→新人、丸数字は当選回数、現職、新人の順、現職は期数順。敬称略)