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議会側3連敗、無力感 岩城さん支援、足並みそろわず

2017年4月24日 紙面から

落選が確実となり支持者に頭を下げる岩城正光さん=23日午後8時9分、名古屋市東区で

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 市民団体を活動母体に、河村さんと対立する市議らの支援を受けて、市政刷新を訴えた岩城正光(まさてる)さん(62)。知名度不足が響き、追い上げは及ばなかった。議会側は前回、前々回に続く三連敗。三期目の河村市政とどう対峙(たいじ)していくのか、重い敗北感が漂った。

 午後八時に河村さん当選確実の報が流れると、岩城さんは硬い表情で「たくさん応援いただいたが、結果を出せなかったのは私の責任」と深々と一礼した。

 昨年、河村さんに副市長を任期途中で解任され、出馬を決意。街頭演説など初の選挙戦に当初は戸惑い、実直な人柄や堅実さを十分に伝えきれなかった。

 岩城さんを「個々の立場」で支えた市議たちが顔をそろえた事務所は、完敗という結果に言葉少な。河村さんと対立を繰り返しながら、四年に一度の市長選に自前の候補を擁立できず。自民公と共産が岩城さん支援で共闘したが、河村さんとの全面対決を避けたい意識が一部に働き、組織は前面に出ない選挙戦。足並みはそろわないままだった。

 選挙結果に、自民のベテランは「議会の存在意義を表してきたが、一生懸命やっても届かない」と無力感を吐露。一方、民進の重鎮は「議案を通すには、過半数の理解を求める努力が必要。市長は『言うことを聞け』でなく、聞く耳も持って」と要望するのが精いっぱいだった。

 河村さんは公約に「議員報酬は年八百万円を軸に」と明記するなど、議会改革を迫る姿勢は変わらない。昨年、年千四百五十五万円に引き上げた問題などが今後焦点となるとみられるが、あるベテラン議員は「(議会が)表に出ない選挙をしたから、そこを酌んで騒がないはずだ」と念じるようにうなった。

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