• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

記事

大村知事は姿見せず 蜜月、距離感…再共闘は?

2017年4月24日 紙面から

 河村さんの祝勝会場に、大村秀章知事の姿はなかった。「多忙」を理由に取材要請にも応じなかった。

 今も杯を酌み交わす仲の二人だが、元来、政治や行政の手法、資質は異なる。

 既成概念、既成政治に対する胆力こそ相通じる。しかし、議会や職員、政財界との対話も重んじ、筋道は踏み外さない大村さん。「庶民の代表」を意識しすぎるがゆえ、すべてを敵に回すときもある河村さん。

 共通公約を掲げ、二〇一一年二月の知事・市長ダブル選は共に闘った。あれから六年。二人とも首長として中終盤に入り、「盟友」と呼び合う甘い季節は過ぎた。

 大村さんは盤石の体制を築きつつある。国際大会の誘致や海外との提携、産業振興、社会基盤の整備など、二七年のリニア中央新幹線開業を見据えて、大筋で手を打ち終わった感すらある。

 河村さんは「お城の復元が残っている」と言うだろうが、国会議員から転じた二人にとって、最大の積み残しは地方分権。むろん、地方だけで事は運ばない。希望も込めて言えば、再び共闘もあり得る。 (豊田雄二郎)

最新記事

記事一覧

なごや市長選新聞 なごや市長選新聞
新聞購読のご案内