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上がるか投票率

2017年4月22日 紙面から

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 名古屋市長選は22日、選挙戦最終日を迎える。街中の盛り上がりはいまひとつのようで、投票率が4年前の39.35%からどう動くのかも焦点だ。有力2候補の陣営は1票でも上積みしようと、「最後のお願い」に市内各地を駆け巡る。

 「『市長給与を年八百万円に減らす』と言ってしまった懐かしい所です」。現職の河村たかしさん(68)は二十一日、八年前の市長選で「市民並み給与」を宣言した千種区覚王山でこう切り出した。市議報酬や公務員給与を引き下げた実績を振り返り「議員や役所とケンカしてきた。こんなに戦っているのは河村さんくらい」とアピールした。

 陣営スタッフによると、四年前は地域政党「減税日本」の市議らの不祥事や離反が相次ぎ逆風だったが、今回は手応え十分。ただ「前回争った候補より、相手組織のまとまりがよくない」とみて、差し引き「投票率はあまり変わらず30%台後半では」と読む。二十二日は、人が集まる名古屋城や繁華街、商店街などで街頭演説を重ねる。

 前副市長の岩城正光(まさてる)さん(62)は二十一日も、恒例となった駅前の街頭演説でスタート。「名古屋を変えるということは、市長を代えることです」と声を張り上げ、支援者や市議らが通行人にビラを手渡した。

 陣営幹部は「盛り上がりに欠ける雰囲気」を感じ、投票率は「これといった大きな争点がなく、前回より低い35%前後か」と予測する。投票率が下がれば、既成政党や組織の支援がある候補に有利なのが一般的。自民、民進、公明、共産の市議は岩城さんを支援するが、別の陣営幹部は「河村さんにも固い組織がある。投票率が低くても、どちらに有利かは一概には言えない」と話す。二十二日は街頭演説に加え、繁華街や商店街の練り歩きで、一人でも多くの有権者と触れ合う作戦だ。

 市選管によると、これまでの投票率で過去最低の26・26%、二番目に低い27・50%は、いずれも現職が三期目を目指した選挙で、今回と状況は重なる。期日前投票は、初日が前回の二倍と好調な出だしだったが、二十日時点では前回比一割増と鈍っており、担当者は「少しでも投票率が上がるよう、引き続き呼び掛けに力を入れる」と話す。

 (市長選取材班)

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