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<公約点検>(下) 街づくり・経済・災害対策

2017年4月13日 紙面から

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 南海トラフ巨大地震への備えや、二〇二七年のリニア中央新幹線開業に向けた都心の再開発−。巨大都市の行政トップの役割は大きい。現職の河村たかしさん(68)と前副市長の岩城正光(まさてる)さん(62)は、街づくりや経済、災害対策などにどう取り組むのか。

 最初は、市議会二月定例会で十億円の基本設計費などの予算が認められ、二二年完成が目標の名古屋城天守閣の木造復元だ。強力に推進してきた河村さんは五大公約に組み込み、城を観光の柱にして、旧尾張藩の自治体と連携しながら広域的な盛り上げを図る。

 岩城さんは当選後に担当局から説明を受けた上で、是非を判断するとの立場。街頭演説などでは「現計画では東京五輪の二〇年には天守閣がないお城になる。リニア開業の二七年やアジア競技大会の二六年を見据えてもいい」と指摘する。

 県との競合が問題になっている名古屋港・空見ふ頭の大規模展示場整備でも、考えは対立。河村さんは推進の立場で公約に盛り込んだが、岩城さんは県と市の連携不足を理由に、取りやめも示唆する。

 リニア中央新幹線開業を控え、名古屋駅周辺の整備の必要性は二人とも共通だ。五大公約に盛り込んだ河村さんは「国家プロジェクトに」と、国の補助を得ながら再開発を推進したい考え。岩城さんも中部地方の玄関にふさわしい駅整備を訴え、名古屋駅の東西でそれぞれ特色の違う街づくりを提唱している。

 街のにぎわいづくりでは、河村さんは豊臣秀吉ゆかりの豊国神社(中村区)と、名駅をつなぐ「人生大出世街道(秀吉の路)」を整備するなど歴史観光を推進。岩城さんは「未来のための五つ星政策」の中で、市中心部にスポーツ公園や音楽広場、久屋大通公園にグローバル・ループ(空中回廊)などを造るほか、名古屋港から中川運河の水辺をウオーターフロントとして整備し、ホテルや商業施設を誘致する計画を並べた。

 南海トラフ巨大地震を想定し、災害対策は二人とも重視。河村さんは学校や主要駅などで揺れに強い「耐震管」の整備を進める。岩城さんは名駅前に給水などの機能を備えた防災広場を整備し、帰宅困難者対策に当たる。民間建築物や橋の耐震化なども推進する。

 元会社員の太田敏光さん(68)は、選挙公報に公約として「空見国際展示場は中止」「市道弥富相生山線廃止 相生山緑地の供用」「中部国際空港二本目滑走路推進」などを記載している。

 (市長選取材班)

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