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「にっこり」の戦略は 候補者ポスター

2017年4月12日 紙面から

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 二十三日投開票の名古屋市長選を前に、市内でも有力二候補の選挙運動用ポスターが目立つようになった。ポスターは、立候補者の主張や人柄を売り込む最も手軽な存在。とりわけ、二陣営の笑顔へのこだわりは強い。

 びっしり掲載された公約の隙間から、白い歯をのぞかせる。現職の河村たかしさん(68)は正面からの笑顔が特徴だ=写真(右)。「政治家は立派じゃない。市民と対等なフレンドリーな感じじゃないといかん」がモットー。自身が率いる減税日本の市議に以前、写真の撮り直しを命じたことがあるほどだ。

 顔写真は「イメージを変えたくない」として、過去の市長選で使用している十年以上前に撮影したカットとみられるが「いつ撮影したかは秘密です」という。ポスターの端にある自転車に乗る姿のイラストは、前回の野球帽からヘルメットに変更。印刷前の締め切りギリギリになり、本人が修正を求めた。ポスターの作成にも、トップダウンの姿勢が表れている。

 新人の岩城正光(まさてる)さん(62)の売りも人懐っこい笑顔だ=同(左)。撮影は二月下旬の寒い日。表情が硬くならないよう室内を十分に暖めてから準備。スタッフらが岩城さんに話しかけて緊張をほぐしながら、柔らかい表情をつくった。優しさと力強さの両立を目指し、一時間半かけて何パターンか撮り、左手を軽くガッツポーズした姿を採用した。

 キャッチフレーズは「しあわせNo.1名古屋を目指します」。政策担当者らが案を出し、岩城さんが決めた。岩城さんは「笑顔が良いので、満足している」。ポスター担当者も「百点満点で九十点の出来」と自信を見せている。

 新人の太田敏光さん(68)は「貼る手間がかかるため」、作成していない。

 (市長選取材班)

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