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2017年4月11日 紙面から
二週間の戦いが始まった名古屋市長選で、現職の河村たかしさん(68)と、前副市長の岩城正光(まさてる)さん(62)の主要候補二人は九、十日の緒戦からアクセル全開。告示日の九日午前は雨交じりの空模様だったが、次第に穏やかな陽気となり、選挙カーや自転車で精力的に各地を駆け回った。
途中、ジャンパーを脱ぎ、シャツの袖をまくりながら自転車をこいだ。穴の開いたタイプのヘルメットを着用したが、「やっぱり暑いわ」と笑いながら顔を紅潮させた。
初日は栄や大須、名古屋城など市中心部へ繰り出した。あちらこちらで「河村さん、頑張って」と声援が飛び、そのたびに「Thank you(ありがとう)」と応じた。夜は花見で混雑する鶴舞公園前に立つと、人だかりができ、聴衆から「待機児童対策をどう進めるのか」「名古屋城の入場料はいくらが適正か」と次から次に質問が飛んだ。
十日朝は北区の黒川交差点前で、通勤途中の市民らに手を振った。気になる投票率は「前回より良いように感じますね」と自信をにじませた。
<第一声 納税者のための政治を>
市長を八年間やって給与削減と退職金廃止で二億四千万円、受け取るお金を皆さんに戻せた。納税者感覚とかけ離れた政治は駄目。税金を払う方が苦労し税金で食っとる方が楽をしてはいけない。
名古屋城天守閣の木造復元(の基本設計費などが市議会で認められたこと)は本当によかった。百年で大抵、国宝になります。世界に対して「名古屋に来て」という自慢になる。千年、大事にするということは、空襲のない平和な名古屋、日本をつくるということ。
市民税減税も続ける。「金持ち優遇」といわれるが、税金が少しでも安い方が生活費の多い庶民に温かい。ロンドン、ニューヨーク、パリに並ぶ名古屋になるように、みんなでやりましょう。
十日朝、「新しい名古屋のけん引力になります」と手書きのたすきを掛け、瑞穂区の交差点で街頭演説。知名度不足を挽回しようと二日間、計十八カ所でマイクを握った。
第一声は小雨の中。地下鉄御器所駅(昭和区)前の交差点で報道陣に囲まれ、緊張した表情ながら「今こそ名古屋を変えなければ」と声を張り上げた。
大須商店街(中区)では、歩きながら支持を訴える「桃太郎街宣」を初体験。スタッフから「ちょっと歩くのが速いです」と注意され、「そうかな?」と苦笑い。商店主から「これで当選、間違いなし」と破魔矢を贈られ、笑顔で握手を交わした。「まだまだ課題はたくさん。名古屋のビジョンを分かりやすいフレーズで伝えていきたい」と意気込んだ。
<第一声 現場に赴き市民と対話>
河村市政は混乱と対立、停滞を招いた八年間だ。市民税減税は市民のためになっているのか。市民サービスが低下している。減税の財源約百十億円があれば、小学校給食無償化や公園の整備、敬老パスの拡充ができる。
河村さんは市長給与八百万円で身を削っていると言うが、実は税金の無駄遣いばかり。地域委員会やSL運行、何一つ実現していない。名古屋城天守閣の木造復元は、なぜ急ぐのか。二〇二二年までに完成させる必要はない。急いだら、東京五輪の時には、天守閣のない名古屋城だ。河村さんはトップダウンだが、私は現場に赴き、対話を重ね、市民目線で考える。現場主義、対話主義、市民主義三本の柱で名古屋を立て直す。
有力二候補とともに、天白区の元会社員太田敏光さん(68)も立候補した。九日朝、同区の地下鉄植田駅近くの公園で第一声=写真。地元の話題に触れ「相生山緑地の市道建設に反対し、未買収の土地の買収を進めて公園化を目指すために出馬した。今の市長はちっとも動かない。市民税減税をやめれば、公園のことが少しでもやれる」と主張した。
名古屋城天守閣の木造復元に関しては「市が五百億円も負担するのか。詰めずにやるのは危険だ。次の世代にツケを回す政治をやっていいのか」と訴えた。選挙期間中、天白区を中心に街頭演説を続けるという。
(市長選取材班)