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2017年4月10日 紙面から
出発式で支持者を前に気勢を上げる候補者=9日、名古屋市内で |
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減税や名古屋城だけでなく、魅力あるまちづくりや子育て支援など名古屋が抱える課題を争点に、二週間の戦いが始まった名古屋市長選。事実上の一騎打ちとなるいずれも無所属で現職の河村たかしさん(68)と、新人の岩城正光(まさてる)さん(62)は九日から十日にかけ、有権者を求めて街中へ。ベテラン河村さんは、自ら街宣ルートを決めるなど市政運営同様トップダウン。初陣の岩城さんは、陣営スタッフと綿密に話し合うボトムアップと、戦いのスタイルにも持ち味が表れた。
「本当は泣きたいくらい。おっかあ(妻)に怒られながら、八年間で二億四千万円を市民にお返しした」。河村さんは十日朝、北区の街頭演説で市長給与を年八百万円に削減し、退職金を廃止した実績を冗談めかしてアピールした。
自らの顔と名前が、最大の看板。初日の出発式後は、衆院議員時代から愛用する自転車にまたがり、通行人らに「How are you?(ご機嫌いかが)」。マイペースで次の目的地に向かった。商店街などでは、買い物客らからスマートフォンでの記念撮影を求められる場面も多く、予定時間を超えることも。
長年の勘で、効果的な街宣場所を急きょ思い付くこともあり、九日午後は桜満開の名古屋城へ。振り回されることもあるスタッフは「本人が一番、選挙を分かっているので」と苦笑い。
岩城さんは出陣式で女性スタッフ七人組「いわきガールズ」に交じってダンスを披露。知名度で劣るだけに、地味な印象からのイメージチェンジに懸命だ。
街頭演説では、陣営スタッフが聴衆への目配りに余念がない。「あちらの人が手を差し出していますよ」「向こうの人が話したそうですよ」。岩城さんに駆け寄るよう促し、二人三脚の選挙戦を展開する。
打ち合わせでは「何が問題で、何が必要かを感じ取り、その都度改善していきましょう」と女性スタッフ。岩城さんは「周りの存在がむちゃくちゃ大きい。市民の心に染みるような分かりやすい言葉を工夫したい」と感謝する。
十日朝は地元の国会議員、県議、市議とともに、通勤客らが多い瑞穂区の駅前で演説。「多くの市民の意見に耳を傾ける市政に変えていく」と呼び掛けた。