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魅力発信 手腕は

2017年4月9日 紙面から

 政治に熟達した現職か、そのもとで市政運営に携わった新人か−。九日告示の名古屋市長選は、三期目を目指す河村たかしさん(68)と、副市長を三年務めた岩城正光(まさてる)さん(62)による、河村市政二期八年の成否を巡る激しいつばぜり合いが予想される。決戦開始前の八日、河村さんは家族とのだんらんでリラックスし、岩城さんはあいさつ回りに駆け回るなど、対照的な一日を過ごした。名古屋の将来を託す一票を投じる市民は、それぞれの主張や人柄、街への思いなどを見つめ、熱い論戦を期待する。

◆河村たかしさん 家族とリラックス

 市長としての公務がなく、午前中は自宅に遊びに来ていた小学生の孫三人とのんびり。知名度の高さからか、二週間に及ぶ長丁場を意識してか、その後も読書で英気を養った。

 衆院議員時代などを含めて、十一回目の選挙戦。陣営幹部は「気張らず普段と変わらない」といい、本人も「六十八歳になって、人生いかなるものかを考えとった」と半ば冗談のように話した。

 夕方、金シャチのバッジを着けた紺色のスーツ姿で事務所に現れ、街宣用の自転車をチェック。「本人」と記されたのぼりを見ながら、「これでは、車輪に巻き込みそうで危ない」などとスタッフに細かく注文を付けた。夜は若者が集まる選挙イベントに顔を出し、支持を訴えた。

◆岩城正光さん あいさつ回り奔走

 朝は、名古屋市熱田区で地元住民らとの意見交換会に臨み、その足で、同市天白区植田の祭り会場へ。「特別な感慨はないよね。ミニ集会などで結構ばたばたしてるし」。祭り会場では、地元市議の紹介で来場者との握手や名刺配りを重ね、知名度アップに駆け回った。

 握手したお年寄りらから「頑張ってね」と激励の声が掛かると、「僕はこの言葉が一番うれしい」と顔をほころばせた。その後も、医療や商業関係など計三団体の関係者へのあいさつ回りをこなし、最後は若者が企画した選挙イベントで締めくくった。

 「いよいよ戦いが始まる。挑戦者だから楽しむ余裕はないよ」。気を引き締めつつ、初陣を待ち望むような笑顔をみせた。

◆見つめる有権者 手軽な観光地に/「らしさ」独自の道を

 昨年、主要八都市のイメージ調査で「最も魅力に欠ける都市」の烙印(らくいん)を押された名古屋市。市長選では、その返上に向けたかじ取り役が決まる。それぞれの市民が考える魅力ある街づくりにふさわしいのは誰か。有権者は今日から始まる舌戦に注目する。

 中川区の団体職員木下真由香さん(18)は「他県の友達を連れて行ける場所をつくってほしい」と望む。イメージ調査の結果は「言われても仕方ない。横浜ならおしゃれな港町というイメージがあるけど、名古屋は…。市をイメージできる売りがほしい」と話す。

 西区のパート加藤知子さん(44)は「市民が行きやすい観光地を増やして」と要望。レゴランド・ジャパン(港区)が開業した湾岸地区はレジャー施設が集まるが、高い入場料など利用のしづらさに首をかしげる。「市民向けの割引を設けるなど利用しやすくなれば、今後は市民がどんどん魅力を発信する。そのきっかけづくりに税金を使うなら納得できそう」と提案する。

 一方で「名古屋らしさを変えないで」との意見も。「中途半端でいいじゃない」と語るのは、中川区の喫茶店経営八木政浩さん(54)。観光よりも福祉の充実を訴える。「敬老パスは高齢者が外へ出て経済が活性化するので続けてほしい」と願い、「名古屋は住みやすい街。独自の道でやっていけばいい」と力を込めた。

 昭和区で生まれ育った浅井末子さん(82)は「名古屋はあか抜けないイメージだが、温かみがある。名古屋城の木造化も最初は驚いたが、名古屋らしいのかなと思う。堀川をきれいにするなど街を手入れし、外から見て魅力的にしてほしい」と語った。

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