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<闘論>(5) 市長になったら

2017年4月7日 紙面から

 市長選の立候補予定者二人による討論会の詳報最終回は「市長になったら」。名古屋の将来や市長任期などを巡り議論し、締めくくった。現職の河村たかし氏(68)は、あらためて名古屋城天守閣を中心とした街づくりに意欲を示し、前副市長で弁護士の岩城正光(まさてる)氏(62)は、女性が働きやすい環境づくりに向けた施策を強調した。

 (文中敬称略)

■街への誇り

 −昨年「行きたくない街ナンバーワン」との結果が出た。名古屋らしさをどう取り戻すか。

 河村 戦争で燃えた街に広い道路を造ってしまった。路地もなくなった。私が六十八年間、考え尽くしたのが、名古屋城天守閣の木造化。かけがえのない中心的な物を造ろうと。桶狭間に向かう織田信長が進んだ道も整備されます。

 岩城 行きたくない街ばかり取り上げられるが、市の調査で大半の市民が「住みやすい街」と答えている。これは名古屋の誇りですよ。観光とかで行きたくなる街じゃなくて、今、現に住み続けたくなる街に、誇りを持つべきだと思います。

■市長任期

 −国会議員時代に「総理を狙う男」と言ってきたが、やめたのか。

 河村 やめたら公約違反になる。言ってきたわけですから。

 −仮に市長選に当選した場合、総選挙に合わせて辞めると任期途中になる。その判断は。

 河村 志半ばで倒れるときもあるし、現実には、途中で辞めることも大変なんです。だから皆さんの支持があれば、このまま名古屋で命を、という可能性も強いですし。だけど議員の家業化とか、国の仕組みを変えないかん。名古屋で挑戦してきたけど、仕組みを変えんと難しい。それは誰かに委ねるのか、自分でやるのか分からない。ずっとやっていくのが、普通はそうなってきます。

 −自分の意思で途中で辞めることはないか。

 河村 普通はないでしょう。

 −何年ぐらいやれば、公約が実現できると考えるか。

 岩城 全く分からない。三年間の副市長の経験で行政はだいたい把握しているが、市民のために何をしなければいけないかというテーマで考えると、何年やれば大丈夫という問題ではない。

 −多選はどのように考えるか。例えば三期十二年までとか。

 岩城 何を意味するか分からない。自分ではできないと思えば、次の人に譲る。市民にとって何がメリットかを考えます。

■若い世代へ

 −今回の市長選は初めて十八歳選挙権が実現する。

 岩城 名古屋に住み続けたい、働きたいと思える市政を実現したいので、投票行動に移してほしい。

 −具体的には。

 岩城 女性に就労してもらう施策を考えないといけない。結婚も保育も考えられるような。五年間、名古屋で働くと、奨学金の利子を市と企業が折半する形にしていく。

 河村 名古屋のシンボルをつくって、かけがえのない起爆剤にして経済を盛り上げていく。天守閣の木造復元のような面白い街づくりや税金の安い街を選ぶのか、高い街でもいいのか、という選択ですよ。

 −互いに良い部分や、選挙でのエールがあれば。

 河村 大変、真面目な方ですよ。自転車で走るときには溝に落ちんように。

 岩城 スクラップ・アンド・ビルド(廃止と創設)で言うと、スクラップは評価する。しかし、新しいものをつくるのが、うまくいっていない。それが残念です。

 =終わり

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