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2017年4月6日 紙面から
市長選の立候補予定者二人による討論の四回目のテーマは「福祉・まちづくり」。現職の河村たかし氏(68)は「なごや子ども応援委員会」の体制強化や、名古屋港・空見ふ頭での大規模展示場整備の必要性を強調。前副市長で弁護士の岩城正光(まさてる)氏(62)は、小学校の給食費無償化や、待機児童対策の充実などを掲げた。
(文中敬称略)
−子ども応援委、貧困対策などはどう考える。
岩城 教育や福祉は副市長時代、僕が担当し、それなりの成果を上げた。待機児童ゼロも国基準で実現した。子ども応援委は素晴らしい政策。スクールカウンセラーに加え、スクールソーシャルワーカーを入れ、学校に福祉の風を入れた。
−当選したら、どう膨らませるのか。
岩城 福祉では小学校の給食を無償にしたい。子どもの貧困対策だけでなく、学校の今後の役割を問い直していく必要がある。
−市長は。
河村 「子どもを日本一応援する街・名古屋」ということでやりたい。何かあると「先生がもっと注意しろ」との論調ばかりだが、専門家が必要。子どもはいじめで苦しみ、お母さんも苦しんでいる。発見して手当てするのは難しい。米国では学校の先生と、専門家が半々くらい。「大きくなったら何になる」「体が不自由だけど、こういうチャンスがあるよ」とか相談に乗る仕組みがある。子ども応援委も最初は大変だったが、創設以来、多くの子どもをケアしてきた。もっと広げて、いじめだけでなく、成績の悩みとか、発達障害とか個別で対応していくようにするのが課題だ。
−どんなビジョンを持つか。
岩城 これまで保育は児童福祉の施策だったが、今は「女性に働いてもらうために保育所をつくる」という労働施策になってきた。名古屋がやってきたエリア保育所構想は見直すべき時期にきている。
河村 (隠れ待機児童も)本当に全部保育所に入れるなら、保育所を小学校に造らないといけない。その代わり、親は保育所を自分で選べなくなる。
−その案についてどう思うか。
岩城 小学校に保育所を造るのは暴論で、使いやすい所にどう造るかが重要。どこに造ってもアクセスを良くする。例えばスクールバスと同じように行政が駅から子どもを保育所に送り届けるようなサービスを提供し、使いやすくしたい。
−中部国際空港島で計画している県と、二重行政との批判もあるが、必要か。
河村 (ポートメッセ、県の展示場と合わせて)三つで世界に冠たる東京ビッグサイト(国際展示場)に勝てたり、上海に勝負できたりというのがある。
岩城 何で県と協議を進めていかないのか。県は市の遅さに付いていけない。
−必要ないのか。
岩城 必要ないとは言いません。県とよく話して、どのような展示場を造っていくかを考えるべきだ。
−展示場建設は公約に載せるのか。
河村 載せますよ。僕は基本的に零細企業出身だから、商売している人を応援したいんですよ。