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2017年3月20日 紙面から
支援者の若者らとダンスでアピールする岩城正光氏(左から2人目)=19日、名古屋市東区で |
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四月の名古屋市長選に向け、前副市長で弁護士の岩城正光(まさてる)氏(62)が名前の売り込みに懸命だ。一騎打ちになるとみられる現職の河村たかし市長(68)に知名度で大きく水をあけられているため、仕事柄これまでの「お堅い」「地味」といった印象をかなぐり捨てるイメージ一新作戦を展開。十九日の事務所開きでは、オリジナルのテーマ曲に合わせ、「岩城ガールズ」と一緒に派手なダンスも飛び出した。
「イワキッ、イワキッ、イワキッ、マサテルッ…」
プロレスの入場曲にも似たアップテンポのリズムに合わせ、イメージカラーのオレンジ色に身を包んだ岩城氏が、女子大生四人と全身を躍動させた。
集まったのは、市民団体や議員ら約三百人(主催者発表)。「真面目だけが取りえ」という岩城氏を以前から知る支援者は、あっけにとられたが、次第に手拍子も出た。マイクを握った岩城氏は「河村市政は八年間の空白と停滞。市民のための名古屋を。チェンジ名古屋、チャレンジ岩城!」と絶叫調で訴えた。
岩城氏は昨年十二月に出馬表明したが、知名度で現職との差は歴然。「政策はよくても、誰だか分かってもらえない。街頭演説などで少しでも印象に残るように」(支援者)と知人の音楽家にテーマ曲づくりを依頼した。歌詞には岩城氏の名前や公約をちりばめた。
イメージカラー浸透のため、地味なスーツをやめ、常にオレンジ色のジャンパーやセーター、スニーカーで動き回るようにした。
選挙戦では、市議会の自民、民進、公明のほか、共産や労働団体でつくる「革新市政の会」、社民など主要政党がそれぞれの立場で支援する方向。政党色を出さず、岩城氏の市民団体を裏方となって支える形だ。
この日の事務所開きでも自民、民進の衆院議員、公明や共産も含めた市議ら約三十人が出席したが、マイクを握ることはなかった。
一方、河村氏はこれまで通り自身の事務所を拠点に、特に事務所開きの予定もないという。自転車街宣などで有権者に訴えるとみられ、事務所関係者は「粛々と選挙に突入するだけ」と話している。(蜘手美鶴)