静岡

7市議選当選者決定

2015年4月27日

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 富士宮市長選と吉田、清水両町長選、十三市町議選は二十六日投開票され、二十七日未明までに新しい顔ぶれが決まった。百七十七人が定数一五〇を争った七市議選は投票率が総じて低調となった。

◆湖西市 論戦低調

 過去最低の投票率となった湖西市議選は、四年前の前回選に比べ7・48ポイント低下の61・74%と、下げ幅が目立った。

 前回は旧新居町との合併後初の選挙で定数一八に二十五人が立つ激戦だった。市政の諸課題に対し、各候補の具体的な施策の訴えが十分に示されなかったのも一因だ。

 市議選に立候補した十九人へのアンケートで、今後の課題として最も多く挙がったのが津波対策だった。東日本大震災を機に防災への関心は高まっているが、具体的な対策に触れる候補は少なかった。

 旧新居町と合併後の公共施設や組織の統廃合は遅れている。自動車産業に依存した産業構造も見直す必要がある。少子高齢化や人口減など多くの地方都市が抱える問題にも直面しており、市政をチェックする市議会の重要性は増していく。当選した十八人には、今後の市のあり方について活発な議論を期待したい。

(佐野周平)

◆富士宮市 元議長の現職落選

 二十四人が二十二議席を争い、現職十七人、新人四人、元職一人が当選した。

 元職の深沢竜介さんが六千票を超える得票で、他候補を圧倒した。民主で唯一の野本貴之さんは票を伸ばし、前回同様二位の得票。元議長の現職朝比奈貞郎さんは落選した。

 党派別は民主一人、公明三人、共産二人、無所属十六人。長年三議席を保ってきた共産は、候補者を立てられず二議席になった。

◆富士市 女性5人、議席獲得

 定数四減の三二に、三十九人が挑み、現職二十五人、新人五人、元職二人が当選した。

 ベテランの引退が相次ぎ、世代交代が見込まれたが、十一人が挑んだ新人のうち、当選は五人にとどまった。女性は六人が立候補し、改選前と同数の五人が当選した。

 民主現職の小池義治さんが三千五百五十五票でトップ当選を果たし、松本貞彦さんが最多の十選を果たした。

 新東名高速道路新富士インター付近の再開発や、中核産業の製紙業の立て直し策が争点だった。

◆沼津市 現職の優位際立つ

 定数二八に三十六人が挑む混戦は、現職二十三人、新人四人、元職一人が当選した。現職は二十五人のうち落選は二人だけ。新人は六人が落選しており、現職の優位が際立った。

 県と市が推進を表明したJR沼津駅周辺の鉄道高架化事業の是非や津波対策、中心市街地の活性化策が争点となった。現職の加藤元章さんが三千五百票に迫りトップで当選。党派別は自民三人、公明三人、共産二人、無所属二十人。

◆三島市 激戦、現職が圧倒

 定数二減の二二に、二十六人が挑んだ激戦は現職が新人と元職を圧倒した。現職は十六人全員が当選。新人は九人が立ったが当選は六人にとどまった。新人の伊丹雅治さんがトップ当選を果たした。

 党派別は、公明が三人、共産二人、民主一人、無所属十六人。女性は六人が立候補し、現職四人が当選、新人二人は及ばなかった。

◆熱海市 共産が議席回復

 定数二減の一五に十六人が立候補した少数激戦となった。現職の村山憲三さんが四十票差で次点に終わった。

 党派別は自民五、民主三あった議席を維持し、公明が二から一議席になった。前回選で議席を失った共産は、元職の井沢共一さんが返り咲いた。

 八十七歳で現職の山田治雄さんは最多の十一回目の当選。統一選後半戦で当選した県内議員の中では最高齢。

◆下田市 10期目当選者も

 定数一減の一三に対し、十七人が立候補した。大川敏雄さんが十期目の当選を飾るなど、現職九人、新人四人が議席を確保した。女性の候補者はゼロで、改選前の一議席から、すべて男性議員になる。津波対策や空洞化が進む中心市街地の活性化策など、市の魅力をどう高めて発信していくかが争点だった。