静岡

湖西市議初当選 福永さん

2015年4月27日

◆海外体験生かし一念発起

 二十六日投開票が行われた統一地方選後半戦で、湖西市議選では、女性の社会進出を掲げた女性候補が初当選した。富士宮市長選、吉田、清水の両町長選はいずれも現職が強みをみせ、新人の挑戦を退けた。当選が決まった各候補者は、支援者と喜びを分かち合うとともに、市政町政を担う新たな四年に目を向けた。

 湖西市議選で初当選した福永桂子さん(59)は、海外生活で女性の社会参加を肌で感じ、帰国後は同市役所で、男女共同参画事業の推進に携わるなど、自ら体現してきた。公約の一番手に子育て支援の充実を掲げており、「男性も女性も自分らしく人生を楽しめる湖西市にしたい」と意気込みを話した。

 大阪の音大で声楽を専攻し、卒業後にドイツの大学で比較民族音楽論を四年間研究。その後も通訳をこなしながら、フランスなど各国を渡り歩いた。当時は欧州で女性の社会参加への機運が高まっており、「家庭と仕事の両立を目指す女性が多く、社会もそれを支えていた」と振り返る。

 七年ほど海外で過ごし、帰国すると、海外との温度差に戸惑った。子育ての傍ら、通訳や翻訳、小学校講師を務め、二〇〇九年に出身地の兵庫県加西市役所に三年契約で採用された。一二年に男女共同参画やまちづくりに詳しい職員を探していた湖西市役所に採用され、男女共同参画推進条例の起案などに携わった。

 議員になることを考え始めたのは、市職員の三年目が始まったころ。市の政策が市民ニーズを十分反映できていないと感じることがたびたびあった。市民の声をじっくり聞くため、市民に身近な市議になろうと、昨年十二月に市役所を退職した。

 告示までの四カ月間、市内全域を歩いて市民の声を聞いて回った。市内に地盤がないため「よそ者に地域が分かるのか」と言われることもあったが、一人一人の声を集約すると、地域の課題が浮き彫りになると感じた。選挙戦では「小さな地域にとどまらず、市全体の課題をリサーチし、取り組んでいきたい」と訴えた。

 二十六日午後十一時すぎに事務所に姿を見せ、支援者の「おめでとう」コールに「女性ならではの生活者の視点を、湖西市に反映させます」と力強く応えた。